「春のヘッドフォン祭2016」に突如現れた「Head-Fi Japan」とは?――世界最大のヘッドフォンコミュニティとその展望(3/3 ページ)
「春のヘッドフォン祭2016」の会場に一風変わったブース「Head-Fi Japan」があったことをご存じだろうか。世界最大規模のヘッドフォン関連コミュニティの日本上陸について、創立者のJude Mansilla氏と「Head-Fi Japan」編集長の田代彰彦氏に詳しい話を聞いた。
パーソナルオーディオ特化型オーディオ・ショー「CanJam」日本開催の可能性は?
――「Head-Fi」では今年からグローバル路線を打ち出しており、特にパーソナルオーディオを主軸とした「CanJam」というオーディオ・ショーを世界各国で開催しています。日本でも「CanJam」を開催する予定はあるのでしょうか
Mansilla氏:正直に申し上げると、まったくその予定はありません。フジヤエービックさんや「e☆イヤホン」さん(会社名はタイムマシン)といった非常に大きな主催者がいます。CanJamはもともと日本のヘッドフォン祭にインスピレーション受けて構想されたものです。もちろん、ヘッドフォン祭のようなショーがない国や地域でCanJamのようなショーを行うことは、さまざまなメーカーが一堂に会するきっかけを作るという意味で非常に重要ですが、日本のようにすでに大きなショーがある国では、あえてCanJamを開催する必要性を感じませんし、メーカーの助けになるとも思えません。われわれはあくまでビジターとして参加するのが適切だと思います。私はフジヤエービックさんもe☆イヤホンさんも、とても尊敬していますし、こうしたショーを主催することについても、大変な敬意を持っています。
「Head-Fi」の創設者Jude Mansilla氏は、インタビュー中も終始日本のメーカー・販売店・そしてユーザーへの敬意を欠かさず、また「Head-Fi Japan」を単なる日本向けローカライズに終わらせないと意欲を見せていた。ヘッドフォン/イヤフォンに代表されるパーソナルオーディオ分野において、今後も素晴らしいユーザー・エクスペリエンスを実現する製品が登場することを大変楽しみにしているという。製品について話をするときの彼の笑顔は大変印象的で、インタビューを通じてこうした彼の“熱量”の高さが海外での「Head-Fi」成功の最大の要因ではないかと思える。日本でもよい形で「Head-Fi」がスタートすることを期待したい。
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