「真水試験では意味がない。相手は汗だ」──単体で4時間再生、スポーツ向け完全独立型イヤフォン「Jaybird Run」
スポーツ向けイヤフォンブランド「Jaybird」から完全独立型タイプが登場。
ロジクールは9月15日、スポーツイヤフォンブランド「Jaybird」の新製品として左右独立型のワイヤレスイヤフォン「Jaybird Run」を発表した。9月25日に発売する。価格は公式オンラインストアで2万4880円(税別)。
スポーツやランニング時に煩わしいケーブルを完全に排除した左右独立型のイヤフォン。サイズが異なるイヤーチップとフィン(クッションパーツ)が付属し、使う人にあわせて形状を変えられる。激しい動きをしても脱落しづらく、快適な装着感を実現したという。本体は特殊コーティングによる防汗性、耐水性を備える。
内蔵リチウムイオンバッテリーで最大4時間の音楽再生やハンズフリー通話が可能。イヤフォンを収納するケースにも最大8時間分の充電ができるバッテリーを搭載しており、それぞれ満充電で計12時間の再生時間を確保した。
イヤフォン本体とケースの充電は、ケース背面にあるmicro USBポートで行う。フル充電には2時間かかるが、5分間で1時間分の音楽再生ができる急速充電にも対応。
Bluetoothの対応プロファイルはHFP、HSP、A2DP。マルチペアリングには対応しない。イヤフォン本体のボタンで電源、再生/一時停止、曲送り、受話/終話、スマートフォンの音声アシスタント機能(Siri、Googleアシスタント)の起動などの基本操作が可能だ。
イヤフォンの本体サイズ(片耳)は14.3(幅)×19(奥行き)×19.5(高さ)ミリ、重さは6.83グラム。カラーバリエーションはJET(ブラック)とDRIFT(ホワイト)の2色。
イヤフォンに搭載するドライバーは6mm径。ペアリングしたスマートフォンに専用アプリ(iOS・Android、無料)をインストールすると、音域のバランスを変更して好みの音にカスタマイズした設定をイヤフォン本体に保存できる。ユーザー同士で音のセッティングを共有することも可能。有名なアスリートが試合前に使っている設定をファンがダウンロードする、といったことも米国では行われているという。
他にもアプリからバッテリー残量の確認、イヤフォン本体ボタンの機能割り当て変更、SNSアカウントと連携して設定のバックアップなどができる。
防水性能の等級を表す「IPX」は取得せず
「Jaybirdが相手にしているのは、汗だ。真水では意味がない」──ロジクールでJaybirdの責任者を務める黄佑仁さん(クラスターカテゴリマネージャー)は、防汗・耐水をうたうJaybird Runが防水性能を表す等級「IPX」の適合を取得していない理由をそう話す。
Jaybirdがこれまで特に力を入れてきた点は、汗対策だ。汗には油分、塩分、酸が含まれており、独自の耐久基準を設ける必要があったという。「独自の基準を設けつつ、IPXも取得するべきでは」という記者陣の質問に対しては、「スポーツをする人々が気にするのは『汗に耐えられるか』という点のみ。リソースを集中した」(同社)という。
「防汗・耐水を実現するために、設計段階からつなぎ目を最小限にした。二重のナノコーティングも施しており、変色や水没を抑えられる」
「イヤフォンを“着ける”ではなく、服や靴と同じ“着る”ニュアンスで開発している。靴のクッション性がいくらよくてもサイズが異なったら苦痛。耳の穴の形は指紋と一緒で人によって異なる。それが豊富なアクセサリーを付属する理由だ」(黄さん)
アスリートの声から生まれたJaybirdブランド
Jaybirdブランドはこれまで「X3」「FREEDOM 2」など、スポーツ向けに特化したワイヤレスイヤフォンを手掛けてきた。「音楽とスポーツだけを追い求めた」──Jaybirdのナーチン・ロフラーさん(Logitech Jayvirdブランド シニア・リージョナルカテゴリー・マネージャー)は説明する。
「Jaybirdのブランドコンセプトは、世界有数のアウトドアシーンで生まれた。音楽を聴きながら走ることでスポーツシーンをドラマティックにできる。しかし、ワイヤードイヤフォンはスポーツに不向き。“機械”から自由になりたいという思いでJaybirdは生まれた。アスリートやスポーツをする人みんなが同じ思いを持っています」(ロフラーさん)
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