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ドイツ“ヘッドフォン御三家”からもフラグシップが続々――「秋のヘッドフォン祭り」で海外ブランドをチェック!(2/4 ページ)

恒例の「秋のヘッドフォン祭り」が開催された。とくに今回は、海外有名ブランドのハイエンドモデルが続々と登場。会場での音質レビューも含めてのリポートしよう。

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ベイヤーダイナミックはデジタルへの挑戦がテーマ

 ドイツヘッドフォン御三家”の一角、beyerdynamic(ベイヤーダイナミック)も負けじと新モデルを投入した。「aventho WIRELESS」「XELENTO WIRELESS」という、イヤフォンとヘッドフォンの無線モデルを今回のヘッドフォン祭りで発表した。特にaventho WIRELESSは同社初となるBluetoothヘッドフォンだ。


「aventho WIRELESS」(写真=上)と「XELENTO WIRELESS」(写真=下)。長年アナログ製品を作り続けてきたベイヤーダイナミックにとって、Bluetoothをはじめとしたデジタル技術は大きな挑戦だ

 2月の「ポタ研」で発表された「Xelento remote」の好評を受けて市場に投入されたというXELENTO Wireless。ドライバー部はremoteと同じとしており、MMCXによるリケーブルが可能。Wirelessにはapt X HDに対応するMMCX接続のBluetooth 4.2アダプターと、リモコン付きの3.5mmステレオミニ(アンバランス)ケーブルが付属。有線と無線、1粒で2度美味しい内容となっている。


XELENTO WIRELESSのBluetoothレシーバー部。MMCXでの着脱が可能で、パッケージには3.5mmアンバランスケーブルも付属する

 aventho WIRELESSはオンイヤーモデル「T51 p」の後継となる小型ヘッドフォン。こちらもBluetooth は4.2で、apt X HDに対応する。ハウジング面はタッチパネル式のコントローラーとなっており、ヘッドフォン側からスマホなどのプレーヤーを操作することも可能だ。


発表会のスライドより。aventho WIRELESSの右ハウジング部はタッチパネルとなっている

 大きな特徴は、専用アプリを使ってスマホと連動してサウンドをパーソナライズする機能だ。片耳3分ほどかけて生成したサウンドプロファイルをaventho Wirelessに送り、スマホとの接続中は使用できるほか、コントローラのタッチパネルも自分好みに調整が可能。サウンド調整はベルリンに本拠を置くMimi Hearing Technologiesとの共同開発で、単なる帯域ブーストではなく、医学的な知見に基づいたものだという。

 実際に音を聞いてみたところ、XELENTO Wirelessは低音に若干のブーミーさがあるものの、基本的に上から下までのバランスが良かった。音色も美しく、ロックからクラシックまでさまざまな音源をそつなく鳴らす懐の広さを感じる。Bluetoothでもベイヤーダイナミックらしさに通じる大事な部分はキッチリと守られており、ブランドの特徴であるパワー感などはしっかりと出ていた。

 aventho WIRELESSは、低音が締まっていて量感があり、現代的な高い解像感が印象的だった。Bluetoothでは帯域の限界を感じる部分はあるものの、基本的にはボーカルの定位も良好、バイオリンなどの響きもクリアでキレイと、ヘッドフォンとしての素性の良さを存分に感じた。

 国内代理店であるティアックブースで話を聞いたところ、ブランドの固定ファンが多く来場していたのか、aventhoのベースとなったT51 pを知っている人が多かったという。XELENTOは「(デジタルになっても)ブランドの大事な部分をキッチリと守っていることがお客さんに伝わっている」という。aventhoに関しては、装着感や高域の解像感向上などが好評なほか、USB-Cの採用が評判だと話していた。


aventho WIRELESSはUSB-Cを採用。来場者にはこれが意外と好評だったという

 aventho Wirelessは「2017年中に発売」としており、XELENTO WIRELESSは発売時期未定、いずれも価格は検討中とのこと。

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