外国人留学生、就職したい業界は「電気機器」

» 2012年06月04日 16時30分 公開
[Business Media 誠]

 日本学生支援機構によると、2009年度の外国人留学生は13万2720人と、その10年前の1999年(5万5755人)の倍以上の水準となっている。ユニクロや楽天などグローバルに展開する企業が積極的に採用に動いているが、外国人留学生たちは就職に関してどのような意識を持っているのだろうか。

 フューチャー・デザイン・ラボの調査によると、日本企業への就職を希望する外国人留学生に「希望する業界」を尋ねたところ、最も多かったのは「電気機器」で14.8%。以下、「情報通信」が12.0%、「小売業」が11.6%、「食料品」が8.5%で続いた。

 日本での勤務希望年数については、「期間は決めていない」が35.8%と目立っていたが、「5年以上」とした割合が39.9%。フューチャー・デザイン・ラボでは「一般的に、高い離職率が留学生採用でネックとなることが多いと言われているが、日本企業に中長期勤めようとする留学生の比率が非常に高いことが分かる」とコメントしている。

就職を希望する業界(出典:フューチャー・デザイン・ラボ)

起業志向の強い外国人留学生

 「日本での就職を希望する理由」を聞くと、「日本企業で経験を積みたいから」が31.1%でトップ。以下、「日本で生活したいから」が15.5%、「出身国・日本の語学力が生かせるから」が12.6%、「給料・福利厚生など待遇がいいから」が12.1%、「自分の専門を生かせるから」が11.9%で続いた。

 卒業後のキャリアプランでは、「日本企業で勤めた後に母国に帰って起業したい」(24.5%)、「1つの企業に長く勤めたい」(23.9%)、「日本企業で勤めた後に母国に帰って就職したい」(20.3%)が上位。「企業に勤め、学習した後に日本で起業したい」の12.2%を考慮すると、36.6%が将来の起業を視野に入れているようだ。「近年の日本人学生安定志向とは対照的に、留学生のキャリアプランは積極的であると言える」(フューチャー・デザイン・ラボ)

 インターネットなどによる調査で、対象は大学、大学院に在学中の外国人留学生366人(出身地域は中国228人、ベトナム32人、韓国23人、インドネシア22人など)。調査期間は1月9日から3月31日。

日本での就職を希望する理由(出典:フューチャー・デザイン・ラボ)

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