「ドイさん、人間ってなぜ“動く”と思いますか?」――。
知人のNさんに、こう聞かれて困ってしまった。なぜ動くって、そんなの人間だから……とモゴモゴしていると、人の消費行動を研究している人物がいるという。
その名は、博報堂行動デザイン研究所の國田圭作所長。過去の膨大な事例から、人を動かすツボ、行動に導くパターンを研究しているそうだ。人はどんなツボを押されると動いてしまうのか。事例を含めて聞いてきた。
土肥:國田さんはオモシロイことを研究されていますね。過去のデータを調べて、人を動かすツボを見つけられたとか。そもそも、なぜそんなことを調べているのでしょうか?
國田:まず、下のグラフを見ていただけますか? これは過去の情報量を比較したもの。1996年の情報量を基準にすると、2006年には530倍に膨れ上がりました。2013年の今、この情報量はさらに増えているはずです。つまり、情報量が多すぎるんですよね。その結果、「知っているけど……」「広告は好きだけど……」といった感じで、人がなかなか動かなくなりました。
プロモーションやキャンペーンをしても、“一発花火”のように終わってしまうケースが増えてきました。花火が落ちてしまうと、みんな忘れてしまう……といった感じで。「これではいけない」ということで、まず忘れられないような行動をつくるのにはどうしたらいいのか? ということを考えました。その結果、私たちは「これまでの発想とは逆のことをすればいいのではないか」という案が浮かびました。
土肥:どういうことでしょうか?
國田:下の図を見ていただけますか? 人というのは、まず「認知・理解」があって、次に「好意・関心」「検討・探索」を経て、「購買・行動」に結びつきます。
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