携帯上のJava「iアプリ」とは何か?──こんな機能がこう活かされる「ゲームができる」だけがJavaの魅力ではない。柔軟な表示,プッシュ型の情報表示,ネットワークゲーム,そしてセキュリティの向上。Javaの搭載は,携帯電話史上最大の出来事ではないだろうか。
携帯電話上で動作するJavaである「iアプリ」対応の端末が,1月18日に発表された。“携帯電話でゲームができる”ということ以上の衝撃を「iアプリ」は持っている。 いったい何が可能になるのか? iアプリを使う主な利点は,次のようなものだ。 グラフィックスの描画これまで,携帯電話の画面に画像を表示するには,サーバからGIF形式の画像データを送信する必要があった。Javaを使うことで,サーバからは数字だけをダウンロードして端末側で描画するなど,柔軟な表示が可能になる。 三井物産とインクリメントPが提供する地図検索サービスでは,これまで地図をスクロールさせるたびに,サーバから画像を読み込まなくてはいけなかった。今回,Javaを利用した「iMapFan地図」では,スクロールの際には必要な部分だけをサーバからダウンロードして持ってくる。 使い勝手は,まるでカーナビの地図のようだ。開発に携わったインクリメントPのIT事業部製作部,企画制作三課のチーフエンジニアである熊田訓氏は,「キャッシュを利用して,画面に表示されているより広い範囲の地図を端末に保持している」と言う。少々のスクロールならサーバアクセスの必要がないのはここに秘密がある。
自動で情報更新いくらiモードでリアルタイムに情報が見られるといっても,ユーザーは意識してサーバにアクセスする必要があった。iアプリを利用すれば,定期的にサーバに接続して,自動的に最新情報を表示することができる。 これは株価情報などに,まさにうってつけだ。何も操作することなく,常に新しい株価を携帯電話に表示しておける(銀行/証券のiアプリ)。これによってパケット通信費の削減をはじめ,表示が高速化されたり,サーバの負担が減るなど多くのメリットがある。 常時接続の通信ゲームJavaによって携帯型のゲーム機として携帯電話が使えるのはご存知のとおり(ハドソンの「スターソルジャー」/ナムコの「パックマン」など)。さらに,通信機能を利用してゲームの面白さが倍増するのがiアプリの特徴だ。 ドワンゴの「サムライロマネスク」は,携帯電話上のネットワークRPGだ。“ウルティマオンラインが携帯で”と言えば分かるだろうか。しかも,携帯電話ならいつも傍にあり,常時ネットに接続されている。 また,将棋や囲碁などのゲームも大きく変化する可能性がある。相手をするコンピュータの性能が強さに大きく影響するこれらのゲームでは,いくらでも性能を上げられるサーバに接続されていることで,従来のゲーム機を遥かに凌駕する,強い相手と対戦できる。iアプリが動く携帯は,ある意味究極のゲームマシンである。 セキュリティの向上503iシリーズからは,SSLと呼ばれる暗号通信の仕組みが内蔵される。携帯電話からデータを送信するとき,まずJavaを使ってデータを暗号化し,さらにSSLによって通信自体も暗号化できるようになる。 これによって,一般サイトでもユーザー認証が可能になり,コンテンツ課金への道が開ける。また,銀行系などの強固なセキュリティを必要とするサービスにとっても,JavaとSSLによる暗号化はサービスの向上に不可欠なものだ。 携帯電話にJavaが載ったことは,ネットワークに接続された超小型コンピュータの登場に等しい。初代iモードの発表時に,NTTドコモのゲートウェイビジネス部長である榎啓一氏(現取締役)は,「iモードは初めてのウェアラブルコンピュータ」だと語った。 Javaによって,iモードは理想のウェアラブルコンピュータにまた一歩近づいたことになる。 関連記事 [斎藤健二,ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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