ドコモの携帯を持っていれば,PHSは無料で使える?

「ファミリー割引」の割引率が改定される。それに伴って,ドコモの携帯ユーザーは,必要なくてもPHSを契約すれば,年間で1万円以上も合計の基本料金が割引される場合がある。

【国内記事】 2001年3月16日更新

 NTTドコモのPHSが伸びている。業界最大手のDDIポケットやアステルグループが毎月契約者を減らす中,ドコモだけがPHS契約者を増やしている(3月8日の記事参照)。

 「P-in Comp@ct」などの魅力的なデータ通信製品を持っているなどのアドバンテージが,ドコモには確かにある。しかし,ドコモの携帯ユーザーであればPHSが無料で使える場合があることはご存じだろうか?

 それどころか,プランの組み合わせによっては“携帯電話単体よりも,携帯電話+PHSのほうが月額基本料金が安い”ということさえありえるのだ。

携帯ユーザーはPHSも契約したほうが,単品より安い?

 実は,NTTドコモの携帯電話を持っているユーザーは,PHSも契約したほうが携帯電話を安く使える場合がある。たとえば,携帯電話を「おはなしプラスBIG」プランで「いちねん割引」オプションを付けて契約している人は,さらにPHSを「ここだけプラン98」で契約すると,なんと8190円の基本使用料が合計で7650円に下がるのだ。

 1台よりも2台持ったほうが支払う料金は安くなる場合がある。もしPHSが必要なければ引出しの奥にでも放り込んでおけばいい。

 このカラクリは,ドコモと複数の回線契約を行っている場合に選べる「ファミリー割引」にある。NTTドコモは,3月7日,ファミリー割引の料金改定を4月1日に行うと発表した(3月6日の記事参照)。これによって,ファミリー割引は,15%引きから20%引きに割引率が向上する。

 その結果,どうなるのか? 携帯電話を持っている人(いちねん割引契約済み)が,PHSを契約した場合に携帯電話の月額基本使用料がどう変化するかを示したのが下の表だ。

PHSのプラン プラン270 ここだけプラン98 パルディオデータプラス
プランA 990 -70 780
プランB 1190 130 980
長得プラン 990 -70 780
おはなしプラスBIG 70 -990 -140
おはなしプラスL 710 -350 500
おはなしプラスM 1070 10 860

 たとえば,「おはなしプラスBIG」に契約している人は,新しくPHSを「プラン270」で契約しても月の基本料金は70円しか増えないことになる。それどころか,「P-in Comp@ct」などを購入し,「パルディオデータプラス」プランで契約すれば,基本料金は140円減少する。

 場合によっては,PHSを契約したほうが1000円近く安くなることもある。表の中でマイナスの数字になっているものがそうだ。携帯電話を単体で使っているよりも,年間で1万2000円程度も割安になる。

 ドコモの携帯電話ユーザーは2回線保有したほうが安くなるという不思議な現象が起きているのだ。

グループメリット? それとも?

 これは,一社で携帯電話とPHSの両方を販売,管理しているというNTTドコモならではの作戦でもあるだろう。しかし,“圧倒的な携帯電話のシェアを背景に,PHS同士の競争を阻害している”とも言える。

 “いまさら携帯電話 vs. PHSでもないだろうに”という考え方も踏まえた上でこういうのは,最近,携帯電話を持っているユーザーが,データ通信用にPCカード型のPHSを購入することも多いからだ。

 ドコモの携帯電話ユーザーならば,ドコモのPHSを基本料はほとんど変わらずに購入できる。しかし他社のPHSを選ぶと,新たに月々数千円の出費が必要。6割という圧倒的な携帯電話シェアを武器に,半ば抱き合わせ的にPHSを販売すれば,台数が伸びるのも当然だ。

 しかし,逆にいえばKDDIグループなどは,傘下にPHS事業を営むDDIポケットがありながら,グループメリットを打ち出せていない。もちろん,「PHSの敵は携帯電話」という姿勢のDDIポケットが「通話は携帯,データはPHS」などという販売姿勢に賛同できるわけがないという理由もあるだろう。

日本では公正な競争は根付かない?

 「かしこい人だけが知っている」というのは,NTTドコモのオプションプランのうたい文句。しかし,携帯電話の料金プラン自体がものすごく分かりにくい上に,ドコモだけで7種類もあるオプションプランを組み合わせて……というのは,よっぽど“かしこい”人でも難しい話だ。

 そんなオプションプランの難しさを示す「ファミリー割引」。割引されるだけなら,携帯電話とPHSを上手に利用しようと思っている人にはありがたい話だ。しかし,“PHSを契約しさえすれば使わなくてもお得”というのは,PHS市場を健全に育てる上で問題だ。

 実際,DDIポケットは「ファミリー割引」がスタートした時点で「公正競争上大きな問題がある」として抗議文を出している。今回の割引率引き上げに関しても「こういったことをされると,そもそも競争にならない」(DDIポケット)と,日本に公正な競争原理が根付かないことを嘆く。

 マイクロソフトのOSとWebブラウザの話ではないが,“携帯電話にPHSが無料でついてくる”のはユーザーにとって歓迎できる話なのだろうか?

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[斎藤健二,ITmedia]

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