ソニーとEricsson,携帯電話端末事業統合へ

携帯電話端末事業の統合について,ソニーとEricssonが合弁会社設立を正式に発表した。新会社の社長にはソニーの井原勝美執行役員上席常務が就任する。

【国内記事】 2001年4月24日更新

 ソニーとEricssonは4月24日,携帯電話端末事業を行う合弁会社,「ソニー エリクソン モバイル コミュニケーションズ」(Sony Ericsson Mobile Communications)を設立すると発表した。

 新会社は,ソニーとEricssonの携帯電話開発の人員やノウハウを一手に集め,新ブランドの元で携帯電話端末の開発から販売,流通までを担う。新会社の社長には井原勝美執行役員上席常務が就任し,業務の開始は10月1日を予定している。

左から,ソニーの安藤国威社長兼COO,ソニーの井原勝美執行役員上席常務,日本エリクソンのMorgan Bengtsson社長

インフラに強いEricssonと,コンシューマに強いソニー

 世界的に供給過剰と携帯電話販売の予想外の低調がささやかれる今日だが,ソニーの井原常務は「中長期的に見れば,今後も着実に成長が期待できる」と携帯電話事業を評価する。その上で,世界的に市場を確保するには「強い通信関連技術を持つところと組むことが早道」(井原常務)との考えが,今回の合弁会社設立につながった。

 ソニーの狙いは,携帯電話端末の世界市場への進出。Ericssonは携帯電話端末製造部門を縮小している最中だ。両社の利害はそこで一致した。

 現在の移動体通信の全トラフィックのうち,約40%がのEricssonのシステムを通過しているといわれる。さらにGPRSやW-CDMAのインフラにおいては受注実績において過半数をEricssonが占めているという。

 このようにインフラでナンバーワンのEricssonと組むことで,インフラ技術や基地局などの情報へのアクセスが可能になる。「端末開発をスピーディに行うためには,基地局側のインフラの技術情報が非常に重要」(伊原常務)

 携帯電話のトラフィックが音声中心から,メールなどに移行し,アプリケーションの進化が始まってきていることも,井原常務はAV機器に強いソニーにとって追い風になると見ている。2.5G,3Gと通信速度が上がるにつれて,リッチなコンテンツを送れる基盤が整ってくる。井原常務は,「携帯ビジネスの場が,ソニーとEricssonの得意とする分野に近づいてきている」と語る。

 携帯電話端末のR&D,設計,販売,流通のすべてに責任を負うことになる新会社の中心課題は,「強い商品を生み出すこと」(井原常務)だ。そのために,新会社が作った商品は,新しいブランドネームを付けて「魅力的な携帯端末の代名詞になるようなブランドアイデンティティを確立したい」と井原常務は意気込む。

 さらに,井原常務は2社が持っている商品の開発体制を,効率的に統合していく必要性も説いた。新会社が全世界で予定している従業員数約3500人のうち,2500人がEricssonから,1000人がソニーからとなっている。

 新会社の資本比率はソニーとEricssonが半々ずつ。役員は両社が出し,「親会社同士の連携も強化していく」(ソニー安藤国威社長)という。

Ericssonの携帯端末事業リストラは?

 ソニーとEricssonの合弁会社設立の話自体は,「昨年の12月くらいに本格的に話を始めた」(ソニー安藤国威社長)という。しかし,Ericssonは1月にブラジル/マレーシア/スウェーデン/英国/米国の携帯電話製造施設を,シンガポールの製造請負業者Flextronicsに移管すること明らかにしたばかり(1月27日の記事参照)。

 Ericssonは現在端末開発に関するリストラに着手している最中だ。「コスト削減プログラムは予定通りに進んでいる。10月には本来の姿に戻っている」と,日本エリクソンのMorgan Bengtsson社長は,リストラが着実に進行していることをアピールした。

FOMA端末,2号機からは新会社が開発

 また,実質的に延期されることが決まったNTTドコモのIMT-2000サービス「FOMA」対応の端末についても,「FOMAの1号機はソニー内部のプロジェクトを走らせるが,その後はEricssonの技術を搭載したものを作っていく」と井原常務は語り,W-CDMA端末に関しても,世界市場に向けて開発を進めていくことを強調した。

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[斎藤健二,ITmedia]

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