iモードJavaプログラミング −スタンドアロン・アプリケーション編iモードJavaの解説本の実力はいかに?
iモードJavaの入門書が数冊ほど出版され,売れゆきを伸ばしているようだ。iアプリへの注目度が高いことの現れだろう。アスキーの「iモードJavaプログラミング −スタンドアロン・アプリケーション編」は,中でも早い時期に書店に並んだiアプリ書籍である。 iアプリという新しい分野の書籍だけに,早く出すこと自体にも意義があるわけだが,かといって拙速というのでは意味がない。では,本書はどうなのかというと……評価が人によって大きく分かれそうだ。 ![]() それはそれで有意義な内容この本のウリは収録されている「使える・遊べるiアプリ」だ。ゲームや実用など合計30本のiアプリが,ソースコード付きで収録されている。したがってご想像どおり,ソースコードとプログラム上のポイントを記した若干の解説が本書の大半を占める,iアプリソースコード集である。 この本を見て,昔,アスキーが得意としていた8ビットパソコンのゲームプログラム集を思い出した。8ビットパソコン初期のころは市販のソフトは少なく,こうした書籍や雑誌がユーザーにとっての貴重なソフト資源であると同時に,資料として重宝がられたのだ。 そうしたノリをiアプリに持ち込んだのが本書といえるかもしれない。それだけに当時のプログラム集の良い部分と,悪い部分も同時に受け継いでいる感はある。 良い部分とは,もちろんソフトとソースコードが数多く掲載されていること。「503iシリーズ」の発売からさほど間をおかず,実際に動くiアプリを30本も仕上げて掲載したプログラマーの努力には頭が下がる。Javaが分かる人ならば,掲載されているソースコードが大いに参考になるし,自作iアプリのために役立てられるだろう。 反面,Javaが理解できていない入門者は,この本を買っても面食らうだけに終わりそうだ。30本のiアプリを除き,本書で実際に「読める」部分は冒頭のiアプリの開発環境や手順を解説した,わずかなパートしかない。プログラム技法やiアプリなりの注意点などの詳細に関しては,ソースコードとコード中のコメントを読め,というのが本書の読者に対する基本的なスタンスなのだ。 「iアプリの作り方は分かった,Javaの文法もよく知っている,あとは実際にプログラムを作るだけ」という人には本書は大いにお勧めできる。“スクラッチパッドにアクセスするにはどうしたらいいのか”あるいは“キーを読み取るにはどうしたらいいのか”といった細かなテクニックが,掲載されているソースコードから読み取れるはずだ。 一方で,iアプリって何? とかJavaの文法が知りたいといった,基本的な事柄に関しては本書は(ほとんど)何も教えてくれない。初めの第一歩としては本書はまったく適していないので,まず入門と考えている人はほかの書籍を探したほうがいいだろう。 なお,本書に掲載されているプログラムはhttp://www.ascii.co.jp/pb/ant/iappli/index.htmlから入手できる。503iユーザーは試してみるのも面白いのではないだろうか。 改訂版が登場ところで本書が出版された時期の関係から,掲載されているiアプリは「P503i」「F503i」「N503i」でしか動作確認が行われていない模様だ。ご存じのように,その後,「D503i」「SO503i」「P503iS」といった新機種が登場し,それぞれ多少iアプリの互換性にクセがある。また,開発環境もNTTドコモがツールを一般公開したため,本書が出版された時とは大きく事情が変わってしまった。 そこで,これらの変化を盛り込んだ「改訂版」が5月17日に出版される。改訂版では付録CD-ROMにプログラム開発環境一式が収録される予定だそうなので,興味がある読者は書店で手に取ってみてほしい。
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