特捜J-SH51(3):
PCのMP3データを変換,「J-SH51」で聞く(1/2)

「J-SH51」の特徴の1つ,音楽再生機能。これはSDカード内のセキュアMP3と呼ばれる音楽ファイルを再生している。では,PC上のファイルを変換してSDカードに入れたらどうなるか? 再生はできたものの……。

【国内記事】 2002年3月7日更新

 J-SH51では,SDカードに記録された音楽を再生して,ヘッドフォンやスピーカなどで聞くことができる。基本的な使い方は,CDプレーヤーなどとJ-SH51を接続して,J-SH51内のSDカードに音楽を録音するというもの。

 しかし,PC上にある音楽ファイルをSDカードに転送して,J-SH51で聞くことができるのをご存じだろうか。J-SH51が対応している音楽フォーマットは,「SD-Audio」(セキュアMP3)と呼ばれるもの。圧縮方式にMP3を使い,著作権保護情報を付加してあるファイルだ。

 要は,PC上の音楽ファイルをセキュアMP3に変換し,SDカードに転送。そのカードをJ-SH51に差し込めば,簡単に音楽を楽しむことができる。

 編集部で試してみたところ,MP3からセキュアMP3への変換,SDカードへのチェックアウト,J-SH51での再生に成功した。ただ,この作業にあたってはいくつか注意すべき点がある。

セキュアMP3形式に変換できるソフトウェア

 まず3月6日現在,編集部で調査した限りでは通常のMP3をセキュアMP3ファイルに変換できるソフトは,単体では発売されていない。

 今回,編集部で動作を確認できたのは,松下電器産業の「SD-Jukebox」というソフトウェアだ。以前はWeb上でダウンロード販売していたが(松下のページ参照),現在は「WMA方式に対応した,バージョン2.4へのアップグレード作業のため」(松下)販売をストップしている。

 「バージョンアップが済み次第,ダウンロード販売も再開する」と説明しており,そちらを購入すればセキュアMP3形式のファイルを作成できる(ただしこれはイバラの道になる可能性がある。理由は2ページ目を参照)。

 今すぐSD-Jukeboxが欲しい人は,同社のSDオーディオプレーヤー「SD80」のオプションである「SDカードレコーディングキット(SH-SSK1)」を購入しよう(松下製のSDオーディオプレーヤーの旧製品を購入するという手もある)。SDカードレコーディングキットは,SD-JukeboxのほかUSB接続のSDカードリーダー(N-SDCAP3)が付属しており,今回の用途には適している。

 実売価格で7000円程度だ。ただし,編集部の調査した限りでは,3月5日時点で都内量販店で店頭在庫は見つけることができなかった。


SH-SSK1は,本来,松下製の世界最小・最軽量のSDオーディオプレーヤー「SV-SD80」のオプションとして販売されているもの(オープンなSDオーディオ規格の対応機器で,“本来”というのも変だが)。店頭で「SH-SSK1ください」といってもなかなか通じないので,「SD80のレコーディングキット」と言って探してもらおう

 早速読者の方から,アイ・オー・データ機器のUSB接続SDカード・MMC,スマートメディアカードリーダ「USB-SSMRW」に,東芝製の「東芝オーディオマネージャー」が付属しているという情報をいただいた。価格は7800円。既にアイ・オー・データ機器でもJ-SH51での動作確認が取れている(3月15日の記事参照

 この東芝オーディオマネージャーも,セキュアMP3(東芝ではSDオーディオフォーマットと呼ぶ)への変換に対応しており,「MP3,AACなど圧縮方式が同じであれば,松下電器製などほかのSDオーディオプレーヤーでも再生できる」(東芝)。

 J-SH51での再生実績があるという話も,読者の方からいただいた。

 ただし東芝からはソフトウェア単体での販売は行われていない。東芝のホームページでは,バージョン2.2JPへバージョンアップされたものが無償ダウンロードあるいはCD-ROMを有償で購入できるが,「単体販売ではなく,東芝オーディオマネージャーを所有しているユーザー向けのサービス」(東芝)としている。ダウンロードには製品のシリアルナンバーが必要となる。

 なお,アイ・オー・データ機器の「USB-SSMRW」に付属する東芝オーディオマネージャーは,東芝によるバージョンアップには対応していない。

作業は簡単

 SD-Jukeboxは,Windows 98以降のOSに対応しており,操作は極めてシンプル。音楽CDからのリッピングに対応しており,その際にはCDDBも利用できる。またHDDに保存されているMP3やWMA,WAVの音楽データを変換することも可能だ。

CPUPentium 233/MHz以上 要MMX
メモリ64Mバイト以上
OSWindows 98/98SE/Me/2000/XP(Windows 2000はパッチをダウンロードしてアップグレードする必要あり)


セキュアMP3に変換できるのは,基本的にMP3データ。そのほか,セキュアAACやセキュアWMAのデータも作成できる。ビットレートは,128Kbps/96Kbps/64Kbpsから選択できる

 SD-Jukeboxには複数のバージョンがあるので注意。SH-SSK1に付属するのはバージョン2.3。こちらのダウンロードページから,2.4への差分を入手できる。2.4では,セキュアWMAに対応した。SV-SD80以前のSDオーディオプレーヤーに付属するSD-Jukeboxはさらにバージョンが古いので,対応OSなどに注意してほしい。

 セキュアMP3に変換したら,SH-SSK1付属のUSB接続SDカードリーダーを接続し,「SD書込」を選択。これだけでセキュアMP3ファイルがSDカードにチェックアウトされる。ちなみに,Windows XPではUSB接続のSDカードリーダーはUSBのマスストレージクラスとして認識され,ドライバのインストールの必要なく利用できた。

 J-SH51にそのSDカードを差し込めば,J-SH51で録音したのと同様に,音楽を再生することができる。この環境では,極めて快適なポータブルオーディオ環境が整った。


取り込んだセキュアMP3ファイルのリスト(左)。右は設定項目一覧。大した設定項目はなく,操作はシンプルだ

 ここまでは,編集部でも簡単に作業が行えた。しかし,ちょっと工夫を凝らそうとすると一筋縄ではいかなかった。

次ページ:SH-SSK1以外を使う場合……

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[斎藤健二,ITmedia]

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