富士通，XScaleベースのPocket PC「Pocket LOOX」を発表

富士通は，Pocket PCとしては初のXscaleベースのPXA250アプリケーションプロセッサを採用したPocket PC 2002搭載PDA「Pocket LOOX」を発表した。SDカードとCFカードのスロットを備え，Bluetoothを内蔵している。

【国内記事】

2002年3月12日更新

　富士通は12日，Pocket PC2002搭載のPDA「Pocket LOOX」を発表した。国内向け製品は「5月発売を目指して開発中」（同社広報）で，最終仕様はまだ流動的だが，価格は6万円前後になる見込み。

現在開発を表明している日本のPocket PC参入企業の中では一番最後の製品発表となった富士通の「Pocket LOOX」

インテルのPDA向け最新アプリケーションプロセッサを採用

　「Pocket LOOX」は，Pocket PCとしては初めて，インテル製XScaleベースのPDA向けアプリケーションプロセッサ「PXA250」を搭載する。クロック周波数などは「現在，調整中」 (富士通パーソナル販売推進統括部第二販売促進部 黒政敦史課長) だ。

　このPXA250は，低消費電力と高いパフォーマンスを両立させられることが特徴 (2月12日の記事参照) 。新プロセッサの性能を生かすため，Pocket LOOXには「CPUパフォーマンス」という設定項目を設けてあり，ユーザーは「高速モード」「省電力モード」のいずれかを選択して使う。「この設定で，バッテリーの持ちを優先させるか，作業効率を優先させるかを，ユーザー側で切り替えられる」 (黒政氏)

　拡張スロットは，ストレージとして利用可能なSDカードスロットとTYPE II CFカードスロットを搭載，通信機能としてIrDA v1.2に準拠した赤外線ポート，Ver 1.1に準拠したBluetoothが内蔵された。

　Bluetoothのプロファイルは，Dial-up Networking Profile，Object Push Profileなどをサポート。Bluetooth内蔵携帯電話やアクセスポイント経由でのワイヤレスインターネット接続や，Bluetooth機能が装備されたPCとのデータ連携などが行える。また，現在策定中のAVプロファイル (2月27日の記事参照) も「積極的にサポートする方針。対応する方向で開発を進めている」 (黒政氏) 。

Pocket LOOX正面。昨今のPocket PCはスピーカーを下に配置するモデルが多いが，Pocket LOOXは本体正面上部に位置している。マイクは正面右下だ。これはVoIPによる電話機能を利用できるようにするための配置だという。アプリケーションボタンは長押しに対応，輝度センサーは5段階切り替えに対応

本体下部。シリアルと電源ポート，ディップスイッチが配置される

本体右側面。Bluetoothのオン/オフ切り替え用スイッチと録音ボタンが備えられる

本体上部。スタイラスとCFカードスロット，ヘッドフォンジャックが配置される

本体左側面。左から赤外線ポート，スクロールバー，スタートメニューを表示させるスタートボタン，SDカードスロット

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[後藤祥子，ITmedia]

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