「何か1つでも負けているとダメ」──カシオが「A3012CA」を語る（2/3）

【国内記事】

2002年4月3日更新

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　「カメラ付きの携帯はたくさん出ているが，みんな使っていない。なぜ使わないの？ と聞くと“この画素数では撮ってもしかたない”という声が多かった」と石田氏は説明する。

　確かにJ-フォンの写メール端末を見ても，画素数は10万画素が多い。もちろん，携帯のディスプレイは画素数でいえば2万画素程度であり，10万画素あれば十分だ。しかし，画素数を上げることでデジタルズームが可能になったり，大きな画像をPCなどで閲覧できるメリットがある。

　カシオはCMOSタイプ（用語）の35万画素センサを独自開発。「これを作ったのは，QV-10の開発をした人間」（カシオ計算機広報部の西澤孝一氏）だという。

　センサの開発に当たっては，CCD（用語）という声もあったが，11万画素程度のものしか存在しないことがネックとなった。「CCDだと暗いところでも撮れるという特徴があるが，このCMOSは，かなり暗いところでも撮れる高感度センサになっている。対CCDのデメリット感はそんなにない」（コンシューマ事業部 第2MNS部 マーケティング室 佐野敬室長）

　A3012CAでは7段階のズームが可能。単に“拡大して撮影する”というだけでなく，「携帯の画面にぴったり合わせる，というのはユーザーも望むところではないですか。下がったり近づいたりというのは面倒」という意味が込められているという。

　もう1つの魅力は，VGAサイズ（640×480ピクセル）の写真を単体で送れることだ。「仕事で使っているユーザーから希望が多かった。携帯の画面で見る限りは携帯の画面サイズでもよかったが，せっかく35万画素ならばPCでも大きく見られるようにしたかった」

　J-フォンのJ-SH51でもVGAサイズの撮影が可能だが（3月2日の記事参照），メールを使って送信することはできない。今のところ，撮影したVGAサイズの画像をメールで送信できるのはA3012CAだけだ。「1万円くらいのトイカメラ狙いのユーザーも取り込めるのではないか」という狙いもある。

従来の20倍!?──12.8Mバイトのメモリ

　A3012CAがもう1つ飛び抜けているのは，メモリ容量だ。「12.8Mバイト」という容量は，初めて見たときにはミスプリントかと思ったほど。

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[斎藤健二，ITmedia]

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