![]() 絵文字メールがiモードやJ-フォンに送信可能に──EZweb向けにサービス開始“絵文字は同じキャリア間でしか送れない”。そんな常識も変わろうとしている。EZweb向けにサービスが開始された「絵文字め〜る」を使うと,絵文字メールをiモードやJ-フォンに送ることが可能だ。さらに,返信として絵文字入りメールを受け取ることもできる。
「iモードに絵文字が送れたら……」。auやJ-フォンのユーザーでは,そんな思いを抱いている人も多いのではないだろうか。 絵文字とは携帯で文字の代わりに利用できるアイコンだ。ハートマークや天気のマークなど数多くの絵があり,言葉では表現しにくい微妙な感情を表現できる 違うキャリア間で,絵文字のやりとりを可能にする──そんなサービスが,4月4日,EZweb向けに開始された。ドリームネット,KDDI,トリワークスの3社が協同で提供するEZweb公式サービス「絵文字め〜る」だ。
他社とはやりとりできない“絵文字”「携帯ユーザーの中には,文字の代わりに絵文字で会話をしている方もいる」と語るのは,「絵文字め〜る」の企画を立ち上げたドリームネットの営業企画本部営業企画グループNS企画担当の藤原宏之氏。 携帯向けの掲示板などを覗いてみれば,絵文字の氾濫に驚くかもしれない。携帯ユーザーは「メールする」と書く代わりにメールの絵文字を使い,「飲み会」の代わりにビールのアイコンを使う。絵文字を多用して,まるで暗号のようなメールを出すユーザーもいる。PCの世界にはなかった,携帯ならではのコミュニケーションの手段がここにはある。 しかし,NTTドコモとau,J-フォンではそれぞれ絵文字の体系が異なり,これまでお互いにやりとりすることはできなかった。
サーバを介すことで,「それぞれのキャリアが持っている絵文字に置き換える」(ドリームネットの営業企画本部長 早川哲司取締役)サービスが「絵文字め〜る」だ。 絵文字め〜るの利用法は簡単。ユーザー登録したら,メール送信の際に送信先メールアドレスの「ne」の後に「-a」を入れるだけだ。
すると,絵文字め〜るのサーバで,EZwebの絵文字がドコモやJ-フォンの似た絵文字に置き換えられて相手に送信される。受け取った方は,絵文字付きのメールを返信することも可能だ。
絵文字め〜るは現在無料でサービス提供されているが,6月には有料化(月額105円)する予定。その際には,変換するのではなく各キャリアごとの絵文字をGIFやPNGに変換して,相手にURL通知メールという形で送信するサービスも開始する予定だ。これは「絵の内容ではなく,絵の形が何かに似ているということで会話をしている」(藤原氏)ユーザーに向けたものだという
簡単にはいかない絵文字の変換絵文字め〜るは4月4日のサービス開始後,「わずか1時間少々で2万数千件の登録をいただいた」(早川氏)というほどの人気。あまりの混雑に登録サーバがダウン,現在は受け付けを中断している。 これほど,ユーザーが待望していたサービスなのに,これまで類似の例が少なかったのには理由がある。 「iモードの場合,絵文字の入ったメールをドコモのドメイン以外に送ると,ゲートウェイサーバで「=」になってしまう」と,ドリームネットの営業企画本部営業企画グループコンテンツ企画担当の稲場康晴チーフプロデューサーは説明する。また,J-フォンの場合「Eメール送信時に,端末上で絵文字の入力をロックしてしまう」(稲場氏) そのため変換サーバを立てようにも,絵文字の情報自体が届かないため,手の施しようがなかった。 絵文字め〜るでは,ドコモやJ-フォンのユーザーでも返信に限ってはWebメールの形式で絵文字の利用が可能になっている。
![]() 絵文字の入ったメールを受け取ったJ-フォンやiモードのユーザーは,末尾に付属するURLをクリックすることで,au端末に絵文字入りメールを返信できる。通常のメールでは変換サーバを利用できるのはEZwebだけだが,Webメールを利用することでiモードやJ-フォンでも絵文字の変換が可能になる
絵文字の自由な流通を目指して絵文字を使ってコミュニケーションを取る携帯ユーザーにとっては,“友人と同じ通信キャリアを選ぶ”のは必須要件。周りの友達がiモードだから,絵文字を送るためにiモードを買う──これは,本人にとってはごく真っ当な理由だ。 では,各社の絵文字を統一したらいいのかといえば,そう簡単な話ではない。「絵文字の面白さが,キャリアを選ぶ際の理由になっているところもある」(早川氏)からだ。 実は,各キャリアの絵文字は大きな違いがある。単色かカラーか,アニメーションするか,何種類あるか。絵文字で各キャリアが競っている面もある。
また,従来の絵文字を変更することは互換性の面でも問題が出てくる。「絵文字の統一は,そうできるものではない」と早川氏は言う。 しかし,各キャリアが異なった絵文字を用いてきたことで,ユーザーに不便を強いていた部分もあるのは確かだ。早川氏は絵文字め〜るによって,それらをある程度でも解消できればと考えている。 ユーザーからは「こういうサービスを待っていた,という好意的な意見をもらっている」と早川氏。絵文字め〜るは,4月,5月は無料。6月から月額105円でサービスするが,「1年間で少なくとも40万〜50万人には利用してもらえる」(早川氏)と自信を見せる。 現在でこそ,絵文字め〜るはEZweb向けしかないが,今後iモードやJ-フォンでも相互に絵文字の変換が行えれば,ユーザーにとっては便利な世界になるだろう。もちろんキャリアが絵文字情報をオープンにしての話だが。
![]() 現在,「絵文字め〜る」はEZインターネットのトップに入り口が設けられている。4月10日の時点では新規登録ができなくなっているが,早期の登録再開に向けて調整を重ねているという
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