トラッカーをやる気にさせる,トラック情報ネットワークシステム

トワード物流は,カシオ計算機のPocket PCを利用したトラック情報ネットワークシステムを開発した。ドライバーや事務所は車両の走行情報をリアルタイムに把握できる。

【国内記事】 2002年4月15日更新

 トワード物流は,カシオ計算機製Pocket PC「E-707」を利用したトラック情報ネットワークシステム「TRU-SAM」を開発,都内で製品を披露した。5月上旬より全国のトラック運送会社に向けて発売される。


Pocket PCを利用したトラック情報ネットワークシステム「TRU-SAM」

 「TRU-SAM」は,NTTドコモのパケット通信サービス「DoPa」の通信機能を内蔵したPocket PC「E-707」を,トラックなどの車両に搭載。これにGPSカード,車両センサー,燃料消費量計測装置などを組み合わせることで,走行中の車両の位置や速度,燃費,貨物室内の温度などを,ドライバーや事務所がリアルタイムに把握できるシステム。

 計測された各トラックの情報はDoPa網を通じてTRU-SAM集中サーバで一括管理される。トラックを管理する事務所は,サーバにアクセスすることで,ドライバーがいつ,どこでどのような速度で走行してしているかといったトラック情報を把握でき,トラックへのメッセージ送信も行える。

 Pocket PCに差し込まれたSDカード内には,毎秒1回行われる計測データが保存され,データを分析することでトラックの運行軌跡などのトレース情報を得ることが可能。ExcelやACCESSなどへのデータの落とし込みもでき,各社独自のデータ解析もサポートする。


トラックに搭載されるE-707


ドライバーが操作で迷わないようにステッカーが貼り付けてある

 システムを開発したトワード物流によれば,走行状態や燃費がリアルタイムに分かることで,ドライバーの意識が向上し,それが経費や燃費などのコストの削減につながるという。同社は実際にTRU-SAMを導入して約20パーセントの運行変動費を削減できたという試験結果を公表した。

 「走行状況を把握できることで,目標設定が行いやすくなる。ドライバーも自分の効率的な走りを事務所に把握してもらえるため『ここからここまでの区間はこの燃費内で抑える』など,意欲的になる」(トワード物流技術顧問大鶴祥介氏)

 TRU-SAMにE-707を採用した理由について,トワード物流の友田健治代表取締役社長は,ソフトの開発やメンテナンス,バージョンアップが行いやすいこと,カーナビよりも価格が安いことなどを挙げた。「1〜2カ月後にはPocket PC上でカーナビの機能も実現させる」(友田氏)。


開発中のカーナビ機能

 TRU-SAMは,カシオ計算機の法人直販部門およびトワード物流が設定した代理店を通して販売される予定。

 トワード物流は,カシオ計算機のモバイルビジネスパートナープログラムに参画しており,今回のシステムとデバイスの連携もこのプログラムから生まれたという。「ようやくPocket PCによるソリューションが組めるようになってきた。今後,物流や運輸,営業販売部門に対する営業の強化を図っていくが,さまざまな業界の人と手を組んで展開していきたい」(カシオ計算機佐藤修逸氏)


PC側の管理画面

システム構成

トラック車載用システム35万〜45万円/台PDA(E-707),GPSアンテナカード,車両センサーI/F,燃料消費量計測装置
管理事務所システム40万円リアルタイムモニターソフト,メモリカード解析ソフト
集中サーバ使用料金月額1500円/1台

ほかにDoPa通信料(1日10時間運行で10分に1回で情報収集した場合,月額1500円程度)がかかる

関連リンク
▼ カシオ計算機
▼ トワード物流

[後藤祥子,ITmedia]

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