「パンツを干しているときに思いつきました」──「たたかえ! iアプリ」の受賞作発表ギガフロップス主催の一般クリエーター向けiアプリコンテスト「たたかえ! iアプリ」の受賞作品が決定。パンツを干す早さや数を競う「ぼくのぱんつi」がグランプリに輝いた。
ギガフロップス主催の一般クリエーター向けiアプリコンテスト「たたかえ! iアプリ」の受賞作品が決定,都内で表彰式が行われた。 「たたかえ!iアプリ」は,2001年12月19日より約4カ月にわたって開催されたコンテストで,最優秀賞に選ばれた作品はNECの公式サイト「みんなNランド」への掲載が約束されていた。
応募総数は80本強と事務局の予想を上回る応募が寄せられたという。「全般的に想像してたよりクオリティの高い作品が寄せられた」(ギガフロップスの井島剛志氏
受賞者の1人は「ケータイ持ってないです」見事グランプリを獲得したのは,パンツを干す早さや枚数を競うゲーム「ぼくのぱんつi」を開発した山下真一氏。本業では,Macromeia DirectorやFlashを使ってサイトやゲームを作成しているという23歳。
自宅の自作マシンでiアプリを開発,iアプリを作成したのは受賞作が始めてで,iアプリ制作歴は2カ月と短い。「作り始めた直後に仕事が忙しくなり,ずっと放ってあったのですが,このままだとお蔵入りになってしまう……と思っていたところにコンテストの話が舞い込み,制作に再度着手しました」(山下氏) ゲームの元となる発想は,日常生活の中で思いつくことが多いそうだ。受賞作も「パンツを干しているときに思いついた」という。 開発で苦労したのは,ネットワークと接続させる仕組みとサウンド周りだったそう。今後開発したいiアプリは,「突拍子もないアクションゲーム」(山下氏) 準グランプリを受賞したのはシューティングゲーム「STAR FIGHTER 2」を開発した竹内久徳氏。今回のコンテストはアイデア面で凝った作品が多く,シューティングゲームでどこまで勝負できるか不安だったと話す。「でも,自分で遊んでいて楽しいゲームなら作り込んでいけると思った」(竹内氏)
竹内氏は開発中に病気を患ってしまい,2ndステージでは,リハビリを兼ねてバージョンアップするのがやっとだったという。逆境の中で獲得した準グランプリだ。 優秀賞に選ばれたのは,ケータイを横笛にみたてて演奏するというユニークなiアプリ「ケータイ笛祭り♪」を開発した北田吉宏氏。本業はエンジニアという日曜iアプリ作家だ。自宅の自作マシンで開発,iアプリ制作歴は1年4カ月,仕事でiアプリを作成した経験を持つ。
ゲームの大もとの発想は3人で考えついたそうだ。「ケータイのゲームって画面タテだよね,横にしたら面白くない? 横にするといえば横笛……といった感じです」(北田氏)。今後はケータイを三味線や琴にみたてて演奏するバージョンを開発予定と言う。楽しみなところだ。 実はこの北田氏,個人契約のケータイを持っていないという。「そのうち,そのうち,と思っているうちに時代に乗り遅れちゃいました(会社では検証用の端末が提供されていますが)」(北田氏) 面白いiアプリ制作に,iアプリ制作歴の長さや,端末に関する知識が必須というわけでないことを今回のコンテスト結果は表しているようだ。 今回のコンテスト審査員であるNECの中村欣貴氏も,最近のiアプリの傾向として「提供に至る流れがパターン化して斬新な発想が出にくかった」と話す。「今回のコンテストには閉塞感を打破する勢いが感じられた」(中村氏)
クリエイターのためのプロダクションが必要コンテストを主催したギガフロップスの井島氏は,フリーのiアプリ制作者をサポートする場が必要になってきていると話す。「がんばって面白いソフトを開発しているフリーの作者が対価を得られる仕組みが必要だ。現在は,せっかくソフトを開発しても公開する場や課金の仕組みが限られており,ネックになっている」 また,フリーの開発者の作品がもっと一般の人に認められるような仕組みも考えていきたいという。「フリーの開発者の作品は公式コンテンツに比べて信用されにくい状況がある。今回のようなコンテストで,審査に残ったとか受賞したといえることがユーザーの判断基準につながればと思う」(井島氏) 次回のコンテストでは,完成されたアプリだけでなく,企画段階での応募も可能にするという話もあるそうだ。「おもしろいアイデアを持っている人と,開発する技術を持つ人の連携で新しいアプリが生まれるかもしれない」(井島氏) 今回の受賞作品はギガフロップスのサイトからiモードにURLを送ることでダウンロードできる。
受賞作品一覧
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