ドイツでiモードは売れていない?──「n21i」を現地調査(4/4)
「カラーディスプレイや和音についてはあまり必要性を感じていません。でもドイツの携帯電話はほとんどの色がシルバーで,ビジネスタイプばかりだから,色のバリエーションはカラフルであってもいいと思います」 なるほど,決して色やデザインが不満というわけではなさそうだ。では,肝心のiモードサービスはどうだろう。 「私も会社から支給されたiモードで,グルメサイトからレストランを検索して,予約を入れたりして便利に使っています。でも,ドイツの携帯メールはSMS(ショートメッセージサービス)なので,わざわざ料金の高いiモードメールを使う人はいないかもしれません。料金を安くしないと普及は難しいような気がします」 最後に本音らしきものを語ってくれた彼女から,iモードの販促グッズであるグミをいただいて,調査隊はE-plusショップを後にした。
調査報告──ドイツのiモードは,日本のFOMA?結論からいえば,発売から2週間以上が経過したにもかかわらず「ドイツでiモードは売れていない」ということが分かった。いや,正確にはベルリン以外の調査をしていないのだから,これは正しくないのかもしれない。しかし,飛ぶように売れているわけではないのは確かだろう。iモードそのものが,地方でだけ売れて,都心で売れないというサービスではないからだ。 ドイツの人は,iモードに興味がないのだろうか。ベルリンで買った携帯電話雑誌を見ると,しっかりiモードも紹介されているし,直前にドイツで行われた展示会CeBITでの情報も網羅されている。興味がないわけではないようだ。 実はiモードの発売に合わせて,ノキアが値下げを行い,最新モデルがiモードと同じ249ユーロになっている。初日のショップで教えてもらったのがこれだ。 Markusさんは「iモードがお得」と言っていたが,ここにある3台の展示を見てほしい。左から,Nokia,NEC,Ericssonと並んでいる。
通話を目的とした携帯電話を選ぶとき,みなさんならどれを選ぶだろう。Nokiaの端末は,スケルトンパネルになっていて,パネルを交換することで色を変えることができるというものだ。一方のEricsson端末は,ぐっと価格が下がってなんと半値近くの149ユーロで手に入る。iモードの楽しさがまだ伝わっていないとしたら,この3台の中からNECを選ぶのはかなりの冒険といえるのではないだろうか。 また,機種や携帯電話会社を問わなければ,1円端末ならぬ1ユーロ端末も存在するわけで,安くて品質のいいものを選ぶとしたら,iモード端末の価格設定は消費者心理にとってマイナスに働くのかもしれない。冬にはiモードの新機種が投入されるとのことだが,日本のFOMAを思い出してしまったのはなぜだろう。
![]() それにしても,最後まで理解できなかったのは,カタログの表紙の出来映えである。あまり楽しそうなイメージが沸いてこないのだが,アイドルタレントについても国民性の違いがあるのだろうか
関連記事 [鈴木晴代,江戸川,ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
FEED BACK |