ドコモのホットスポットサービス,試してみましたドコモが試験サービスを開始した,無線LANを使ったホットスポット。ドコモならでは……の部分は少ないが,その実情はいかに。
各社が無線LANを使ったホットスポットサービスを開始する中,NTTドコモもホットスポットサービスの試験サービスを開始している(3月15日の記事参照)。 “FOMAとの連携を目指す”とうたわれた,この無線LANサービスはどんなものなのか。試験中のサービスを試してみた。
セキュリティは強固。速度は遅めモニターに当選した筆者が向かったのは,都内に8カ所あるホットスポットエリアの1つ,カフェ・ド・クリエ新宿5丁目店。店内は特別変わったところはなく,「無線LANのサービスが導入されています」という表示もない。 無線LANへの接続は,少々面倒。筆者の無線LAN内蔵ノートPCのOSはWindows XPだが,起動してもアクセスポイントを自動的に発見することはなく,あらかじめ知らされているESSIDとWEPキーを入力して初めて接続できた。 さらにWebブラウザを立ち上げ,SSLによって暗号化された通信でユーザーIDとパスワードを入力。これでようやくインターネットに接続するという念の入りよう。 そもそもモニター登録時に,無線LANのMACアドレス(ネットワークアダプタごとに振られたユニークな番号)を入力する必要があり,MACアドレスとユーザーID,パスワードでクロス認証を行っていると思われる。 ユーザーIDやパスワードなどは郵送で送られてきており,セキュリティは強固だといえるだろう。 通信速度を,「ブロードバンドスピードテスト」で計測したところ,約1.7Mbpsと少々遅め。3回計測を行ったが,速度のばらつきはほとんどない。 IPアドレスはグローバルアドレスが振られているようだが,DHCPサーバはプライベートアドレスが見えてしまっている。
最初の立ち上げ時に表示される,ユーザーIDとパスワード入力画面。ただし,いったん認証を行うと,無線LANを再起動しても認証を必要とせず接続が完了する。どのくらいの間隔で再認証が必要になるのかは分からなかった
従量制も検討?無線LANのホットスポットサービスでは,セキュリティ面や速度は気になるものの,つながってしまえば,特に差が出る部分は少ない。今回の試験サービスでも“ドコモならでは”の部分は見あたらなかった。 高速常時接続環境の例に漏れず,FOMAのCFなどの動画コンテンツも用意されているが,わざわざホットスポットに来てまで見たい動画というわけでもなく,コンテンツ面で特筆すべきことはないように感じた。 やはり,サービスの魅力を決定づけるのは,料金とエリアだろう。料金で1つ気になったのは,モニター応募時もその後のアンケートでも,「希望する料金体系」の欄に選択肢として「従量制」が入っていることだ。 他社のホットスポットサービスが当然のように月額固定制を採用しているのに対し,料金プランとして従量制を考慮しているようなのには少々驚いた。 もちろん,FOMAとのデュアルサービスを行う際には「屋外ではFOMAでパケット単価0.2円,屋内では無線LANでパケット単価○円」とうたえば,それほど違和感はないのかもしれないが……。 ただし,他社のホットスポットのみのサービスに比べると期待できる部分も多い。他社のホットスポットサービスはエリアを順次拡大しているが,やはり狭い。「通信を行うためにエリアへ向かう」という意識がどうしても必要なのが現状だ。そんな状況で月額料金を払うかというと,割高感もある。 しかしドコモの場合は,FOMAやPHSなどのデータ通信サービスのオプションサービスとすることで,「どこでもつながる。しかもホットスポットエリアなら高速で安い」という意識で利用できそうだ。また,FOAMやPHSのユーザーを対象とすることで,ユーザーサポート網や顧客管理システムを新たに構築する必要もない。その分,低価格も期待できる。 エリアの広さ,という面でも,ドコモの無線LANサービスは大きな可能性を持っているといえるかもしれない。ドコモが本格的に無線LANに乗り出すならば,PHSの基地局に無線LANのアクセスポイントを併設することで,ロケーションの問題もクリアできるだろう。 ドコモの試験サービスは6月30日まで。東京国際フォーラムや幕張メッセなど,大きな建物も対象となっている。次回は,こうした巨大施設でどの程度無線LANが利用できるのかをレポートしたい。
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