Mobile:NEWS 2002年5月23日 03:31 AM 更新

JASRAC、「着メロ」の徴収額が3倍に

2001年度のJASRACの楽曲使用料徴収額は、前年比1%減という結果だったが、着信メロディを含む「インタラクティブ配信」は期待以上の伸びを見せた

 「よくて2倍くらい」だと思っていたら……なんと、3倍に増えてしまった。

 日本音楽著作権協会(JASRAC)が、5月22日に発表した2001年度の著作権使用料徴収額では、着信メロディや楽曲のダウンロード配信を含む「インタラクティブ送信」の徴収額が、対前年比で315%の成長を記録。金額ベースでは40億861万円となり、このうち実に95%を着メロが占めた(金額にすると38億3100万円)。JASRACの加藤衛常務理事は「着メロがどこまで伸びていくか期待したい」と話す。

 JASRACは、携帯電話ICチップに着メロを記録したり、ネットワークを通じて着メロを配信する際の楽曲使用料を「1曲5円」と規定(2000年8月17日の記事参照)。2000年度にはこの徴収額が前年度の5倍の12億2000万円に達し、話題になった(2001年5月23日の記事参照)。

 さらに、加藤氏は「着メロによる徴収額は昨年もインタラクティブ配信の95%を占めていた。つまり、着メロ以外、楽曲のダウンロード配信の徴収額も3倍に伸びているわけだ」と強調する。

 着メロは、JASRACの“期待の星”である。2001年度の楽曲使用料徴収額は、前年度比1%減の1052億8495万円。2000年度は着メロのおかげで使用料徴収額が増加したが、屋台骨のCD録音や演奏に対する使用料徴収が伸び悩み、予測通りとはいえ、「戦後初めての前年割れ」(JASRAC)という結果になってしまった。

 着メロ以外では、ビデオ用DVD+RWディスクなどのデジタル録画用製品に含まれる私的録画補償金が、対前年比218%と着メロに次ぐ伸びを示しているが、金額ベースでは1481万円とまだまだ規模は小さい。

 2001年度は、JASRACが唯一の音楽著作権管理団体として活動する最後の年だったと言える。著作権等管理事業法の施行により、既にe-LicenseなどJASRAC以外に複数の管理会社が登場しているが、「実際に徴収額に影響があるのは2002年度から」(加藤理事)。このためJASRACでは、2002年度の徴収額が、2001年度から96億円減少し、1000億円の大台を割り込むと予測している。

インタラクティブ配信分配額ベスト10(2001年4月〜2002年3月)

順位作品歌唱
1位Can You Keep A Secret?宇多田ヒカル
2位EverythingMisisa
3位M浜崎あゆみ
4位らいおんハードSMAP
5位桜坂福山雅治
6位FRAGILEEvery Little Thing
7位TSUNAMIサザンオールスターズ
8位SEASONS浜崎あゆみ
9位慎吾ママのおはロック慎吾ママ
10位EVOLUTION浜崎あゆみ

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関連リンク
▼ 日本音楽著作権協会

[中村琢磨, ITmedia]

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