Mobile:NEWS 2002年6月28日 10:22 PM 更新

電子地図ソフト「プロアトラスW」のWの意味は……

電子地図ソフトの定番、アルプス社の「プロアトラスW」が、先頃発売された。これまで製品名に年号をつけてバージョンアップを進めてきた同製品だが、今回は代わって「W」の文字がついている。その理由は――。

 アルプス社の電子地図ソフトは、1996年に発売された「アトラスRD for Windows 95」から始まった。初代のアトラスRDは、名前のとおり同社の書籍版地図帳とまったく同じデータを電子化したものだったが、PC用としての使いやすさや低価格だったことがユーザーから高く評価され、瞬く間に電子地図ソフトの定番の座についている。

 その後、名称が「プロアトラス」と改名され、各年度の最新地図を搭載すると共に、地図ビューアとしての付加機能を強化。さらにはインターネットを積極的に利用したマッピングサービスのベースソフトとしても進化を続けてきた。

 その最新版が、6月7日に発売された「プロアトラスW」というわけだ。では、この新製品ではなにが“進化”したのだろうか。

 新製品でまず気が付くのは、製品名から年号が消えたことだ。昨年度版は「プロアトラス 2002」と年号だったのが、代わって「W」という文字が付いている。年号表示をやめたのがWindowsの影響なのかどうかはわからないが、アルプス社に聞いたところ、この“W”は「Wide」の意味なのだそうだ。つまり「Wide Cover Area」というわけだ。新製品では、その名にふさわしく、全く新規に作成されたラスターデータによる1/2万5000縮尺の地図データが、日本全国を網羅して収録されている。


筆者の故郷はこれまで中心地区が収録されているだけだったが、新製品では1/2万5000の縮尺で切れ目なく表示できる

 これまでもプロアトラス・シリーズは、伝統的にラスターデータによる地図データが採用されてきた。他社の電子地図ソフトやカーナビ用の地図データのほとんどが、ベクトルデータを用いてきたのに対し、見た目に非常に美しい地図データを表示でき、印刷してもその美しさは一目瞭然だった。これが同製品の最大の特徴だったといえる。その上、表示速度やスクロール速度も、ベクトル地図のデータ表示と比べても全く遜色がなかった。

 しかし、ラスター地図データには、スケーラブルな拡大や縮小が出来ないという弱点がある。つまり、異なる縮尺の地図表示を行うためには、異なる地図データをあらかじめ持っていなければならない。これに対して、ベクトルデータでは、自由に表示縮尺を変更することができる。

 冒頭に述べたとおり、プロアトラスに搭載されている地図データは、書籍版のアトラスRDの地図データと同じ。元々、紙の“ページ”で表示することを考えて作成されているため、日本全国すべてを小縮尺から大縮尺までおさえる必要がなかったのだ。

 それゆえ、どうしても縮尺が細かくなるほど歯抜けになってしまった。首都圏や人口密集度の高い近畿や東海では、小縮尺から大縮尺まで地図データが網羅されているが、郊外・地方などを表示すると、1/7万や1/25万などの小縮尺データのみになってしまい、もっとも頻繁に表示させたい1/2万5000の大縮尺で地図データが表示できなかった。しかし、今回のプロアトラスWではこの弱点が克服されて、日本全国が切れ目なく、美しいラスター地図データによってフルカバーされている。

 それだけにどうしてもデータサイズのほうも大きくなっており、全ての地図データをHDDへインストールすると、約9Gバイト弱の容量が必要になっている。ただ、ソフトはDVD2枚組で、従来と同じ縮尺のエリアとインストーラが1枚のDVDへ納められ、もう1枚に新しい1/2万5000縮尺の日本全国が治められている構成。必要とするエリアのみや、希望する縮尺を選んでインストールすることも可能だ。また、1枚のDVDだけをHDDへインストールし、もう1枚はDVD-ROMドライブからのアクセスという使い方もできた。

 もっとも、HDD容量に余裕がある環境ならば、HDDへインストールした方が、データへのアクセスが高速になり、スムースな表示やスクロールが可能。大容量HDDが安価になった昨今、使わなくなった10Gバイト程度のHDDを専用に割り当てるという方法もあるかもしれない。

 ビューア自身のデザインは、従来版から大きく変更されており、使い勝手も向上している。従来版の使い勝手に慣れていると、若干とまどう場面があるかもしれないが、縮尺切り替えなどのタブデザインは、初心者にとってはわかりやすいだろう。新機能としては、J-Phoneの携帯電話ユーザーの場所を知ることができるサービスが付加され、流行のLBS(Location Based Service)が実践できる。これは業務のみならず、個人の新しいニーズを生み出すことができそうだ。

 この他の特徴では、「プロアトラスW全国DVD版」には、同社のGIS業務用の住所対緯度経度変換エンジン「住所ジオコーダ」と同等の機能を持った、住所検索機能が装備されている。このGIS業務用の住所ジオコーダは10万円で販売されていると聞くが、これに対し、プロアトラスW全国DVDは、DVD2枚組で1万4800円と、かなりのコストパフォーマンスのよさだ。ちなみに、この全国版は、首都圏をはじめとする各地域版や日本広域全国の6種類が、それぞれ6800円なのと比べても、そのすべてを1/4の価格で入手できるというメリットがある。その上、業務用住所検索エンジンのオマケがつくのだから、購入するならまずこれがおすすめだろう。


住所検索機能の精度は非常にヒット率が高く、的確に目的の地点をピンポイント表示できる

 なお、従来のプロアトラスがサポートしていた機能は、ほとんどそのまま継承されているが、一部の機能が削除されているようだ。しかし、GPSやPHSなどを使った位置情報表示機能や、インターネットを活用した情報チャンネル、Webサイト企業の所在地表示機能などは健在。加えて、各種PDA(Pocket PC、Palm、Zaurus)への地図データ切り出しによるPDA連携機能もある。

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▼ アルプス社

[長谷川徳太郎, ITmedia]

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