Mobile:NEWS 2002年6月28日 03:00 PM 更新

徹底比較
携帯電話のカメラはどこまで“使える”か(1/3)

急速に進歩している携帯電話のカメラ機能。しかし、過渡期ゆえに端末ごとの性能差は意外に大きく、撮影シチュエーションでの得意・不得意も目立つ。カメラ内蔵端末5機種を選んで、携帯はどこまでデジカメに迫れるか、徹底比較してみた

 携帯電話のカメラ機能は、当初はほんのオモチャだった。「ケータイの液晶モニタで見られればいいや」というレベルに過ぎなかったのだ。しかし、デジカメが急激に画素数を増やして画質を上げていった歴史をなぞるように、携帯電話のカメラの性能も向上し、過渡期ならではの性能差も現れつつあるようだ。

 晴れた日の写真ではあまり差がなくても室内の写真では大きな差が出たり、携帯電話の液晶モニタでは違いが分からなくてもPCに送って大きな画面で見ると歴然と差が出たりする。今回は、画質を中心にカメラ内蔵携帯電話5機種を比較した。

端末センサメーカーキャリア
SH251i31万画素CCDシャープドコモ
A3012CA31万画素CMOSカシオau
J-SH5131万画素CMOSシャープJ-フォン
J-T5111万画素CCD東芝J-フォン
J-N0511万画素CMOSNECJ-フォン


今回比較した各端末の写真。左から「J-N05」「A3012CA」「SH251i」「J-SH51」「J-T51」

 今のカメラ内蔵携帯電話の性能はだいたい2つのチェックポイントで測ることができる。1つは画素数。11万画素か、31万画素かだ。携帯電話の液晶モニタは120×160ピクセル程度なので、それで見るなら11万画素で十分だが、デジタルズームでも高画質を得たい、PCに送って見たいとなると31万画素の方が有利だ。

 もう1つは受光素子(センサ)の種類。CMOSとCCDの2種類がある。CMOSは低価格で消費電力も少ないが、ノイズが多くて画質が今ひとつという欠点がある。CCDはその逆で、消費電力は大きいが画質はいい。

 今回取り上げた端末でいうと、auのA3012CAは35万画素(31万画素相当)のCMOSセンサ。J-フォンのJ-SH51は31万画素のCMOSセンサ、J-T51とJ-N05は11万画素のCCDセンサ。NTTドコモのSH251iは31万画素のCCDセンサを採用している。ただし実際の画質はカメラ部のスペックだけでは語れない。

屋外での画質チェック

 カメラ内蔵携帯電話で一番使われるシチュエーションは、屋外での自分撮りを含む人物撮影である。曇天下ではあったが、まずはそこからチェックした。


SH251iで撮影。左は120×120ピクセルのiショット(S)、右は288×352ピクセル(CIFサイズ)のiショット(L)で撮影したものを縮小した画像(画面をクリックすると原寸のiショット(L)画像へ)。露出も色のバランスもこのクラスとしてはまあまあ。解像感はないがLサイズでは服の模様もきれいに出ているし肌のグラデーションもある。さすがCCDだ


A3012CAで撮影。左は120×160ピクセルの原寸、右はVGAで撮影したものを縮小した画像(画面をクリックすると原寸のVGA画像へ)。やや露出オーバー気味だが、それをさしおいても肌色の出来には不満。それに比べると赤や緑の色は不自然なほど鮮やかで、おそらく彩度を上げて処理しているのだろう


J-N05で撮影。左はスタンダードモード、右は人物モードで撮影。人物モードは露出オーバー気味だが、スタンダードモードはその逆で色も渋め。プリクラ風の絵作りがよければ人物モード、渋めがよければスタンダードモードでいいだろう


J-SH51で撮影。左が120×160ピクセルの原寸、右がVGAで撮影したものを縮小した画像(画面をクリックすると原寸のVGA画像へ)。CMOSにしてはけっこう色は出ていてがんばっている。シャープネスが強めではあるが、ケータイのカメラとしては上々の出来


J-T51で撮影。左が144×176ピクセルの原寸、右がCIFで撮影したものを縮小した画像(画面をクリックすると原寸のCIF画像へ)全体に色のノリは悪く、顔の陰影も滑らかでないのでちょっと不気味になってしまったのが残念

 チェックポイントは2つ。ディテールの描写力と発色だ。ディテールに関しては30万画素超の製品が圧勝。CIF(288×352ピクセル)相当の画像サイズで撮影したとき、カーディガンの模様が出るか出ないかに露骨に現れている。特にA3012CAとSH251iが優秀だ。31万画素のJ-SH51は顔の陰影が不自然に強調されたのが残念。だが、VGA解像度で撮影したときは、同じVGA撮影が可能なA3012CAに比べてシャープではっきりした写真になっている。

 また、CIF以上の解像度で撮影すると、どれも四隅が流れてしまうなどレンズ性能の低さが出てしまう点にも注目だ。今のカメラ内蔵携帯電話できれいなVGA解像度の写真を撮るには、受光素子のみならずレンズ性能も足りないことが分かる。

 次に重要なのは色。曇天下で肌色がきれいに出るかは重要だ。この観点では、SH251iが優秀。曇天下でも肌色がきれいに出ている。J-SH51も良好。ホワイトバランスの性能が悪いと、曇天下では青が強く写り、肌色の赤みが出ない。A3012CAはそれが顕著に出てしまった。11万画素機ではJ-T51もN-05も発色はまあまあである。

 ただし、どの製品にもいえるのは、ダイナミックレンジが狭い(一度に捉えられる明暗差が小さい)ため、自動露出がうまくいかないと簡単に肌色が白トビを起こしてしまうという点だ。撮影時にきれいな色で写るよう液晶モニタを見ながら微妙に構図を変えたり、露出補正(どの製品も上下のキーで明るさを補正できる)をかけるといい。

[荻窪圭, ITmedia]

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