Mobile:NEWS 2002年7月18日 02:49 AM 更新

高速化する「ワイヤレスデータ通信」狙うIntel

Intelはモバイルデータ通信で世界の先頭を行く日本の通信事業者に対し、Intel PCAをアピールした

 18日のWIRELESS JAPAN 2002では、米Intelがアプリケーションや機器開発を支援するアーキテクチャ「Intel PCA」(Personal Internet Client Architecture)をアピールした。講演を行ったのは、同社ワイヤレス・コミュニケーションズ&コンピューティング事業本部副社長、兼フラッシュ製品事業部長であるDarin G. Billerbeck氏。


IntelのDarin G. Billerbeck氏

 同氏はまず、国内の移動体通信業界でデータ通信が盛んであることに言及。1契約者あたりの月間平均収入(ARPU)に占めるデータ通信の割合は、世界で見ても国内主要3キャリア(NTTドコモ、au、J-フォン)が上位4位に入っていると紹介した(BDA China調べ)。

 一方で、キャリアの音声ARPUが頭打ちの状況であることにもふれる。「音声収入の減収分を補ってあまりあるほど、データ通信による収入を増加させねばならない」として、ワイヤレスクライアントにPCでのアプリケーションを移植する必要があるとした。

 もちろん、その際に同社はIntel PCA(記事参照)を提供しよう――というわけだ。Intel PCAでは、ワイヤレスクライアントの通信部分、プロセッサ部分、メモリ部分を大きくブロックとして分け、それぞれの開発を加速させる技術を提供する。

トータル・システムとして「3M/mm3」を考慮せよ

 Darin氏がまず紹介したのは、PDAおよびマルチメディア携帯電話向けのアプリケーション・プロセッサ「PXA250」「PXA210」だ。これは最高400MHzの動作を実現するもので、「消費電力あたりのMIPS値は業界最高」というもの(詳細は別記事参照)。

 USBインタフェースやBluetoothインタフェースといった、リッチクライアントとして欠かせない高速通信ポートもサポートしているという。

 また、演算チップやメモリなどを集積化、スタック化する技術も紹介。特に、Stacked-CSP (Chip Scale Package) のテクノロジ分野で、テープベースの柔軟性のある基板を折り畳むことで、4チップ以上の積み重ねを可能にする「フォールデッド・スタック」(記事参照)の技術をアピールした。

 「アプリケーションまたはベースバンド処理、およびメモリ・サブシステムを1つのパッケージにすることができる(フォールデッド・スタックド・BGAパッケージ)。今後、チップとパッケージの統合も行う」。

 Darin氏は開発アーキテクチャを評価するにあたり、トータル・システムとして「3M/mm3」を考慮することが必須だと訴える。

 これは1mm3(ミリ立方メートル)あたりのMIPS(演算処理速度)、Mbit(通信速度)、Milli-watt(低消費電力)をよく検討する必要があるということ。さらなる高機能化、高速化が求められるワイヤレスクライアントの開発支援に、自信を見せていた。

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[杉浦正武, ITmedia]

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