Mobile:NEWS 2002年7月26日 01:00 AM 更新

Mobile&Movie 第23回
アイ・アム・サム「夫からだわ、うるさいわね」

映画の中の名脇役として登場する“モバイル製品”を紹介する「Mobile&Movie」。第23回は、障害を持つ父と娘の心温まる交流を描く人間ドラマ「アイ・アム・サム」。携帯電話を手放せないビジネスウーマン、リタの心を親子の愛が解きほぐす

作品名アイ・アム・サム(I am Sam)
監督ジェシー・ネルソン
制作年・製作国2001年・アメリカ


 7歳児程度の知能しか持っていないサムは、ひとり娘のルーシーを周りの人に助けられながら育てています。2人は友達同士のように遊びながら楽しく暮らしていましたが、7歳の誕生日を迎える頃ルーシーは、自分が父親の能力を追い越していることに気付きます。勉強が手につかなくなったルーシーのことを心配した教師は、ソーシャルワーカーにサムとルーシーについて相談を持ちかけました。

 ソーシャルワーカーは、教育や生活について質問されても満足に答えられないサムに、父親としての能力に欠けるという判断を下し、サムは、突然ルーシーと別々に暮らすことになってしまいます。

 週に2回だけ、施設での面会を許されたサム。ルーシーのいない生活に寂しさは募るばかり。ルーシーを取り戻すために、サムは弁護士を雇い法廷で戦うことを決意します。

 優秀な弁護士として紹介されたのが、いつも時間に追われてイラついているいるリタ。サムが訪ねて行った時も、取り次いだ秘書を怒鳴りつけ、追い返そうとするありさま。しかしオフィスでの自分の立場を考えたリタは、サムの弁護を引き受けることにします。

 完璧な息子の子育てとさらなる仕事の成功を望むリタは、常に時間が足りない状態。アポイトメントに遅れることはしばしばで、そのたびに嘘の言い訳をする始末。リタにとって携帯電話は、まるで自分を急かす悪魔の呼び出しで、かかった電話に悪態をつくのは当たり前。折りたたみを開く間も惜しいのか、リタの携帯はシンプルなストレートタイプです。

 サムと裁判の打ち合わせをしていた時、リタの携帯が鳴り出しました。

「夫からだわ、うるさいわね」

着信音にまず文句。

「トッド、圏外だったの」

なかなか出られなかった言い訳をするリタ。

「どういうこととは、どういうことよ!」

二言目には、もう夫と喧嘩ごしです。

 何もかも思い通りならないと気がすまない、ささくれだったリタの心。サムは時間に遅れたり、法廷での証言が教えたとおりにできなかったり、リタをイラつかせます。しかし、サムとルーシーの純粋な姿を見ているうちに、リタは次第に自分の息子に対する愛情とサムの想いが同じであることが分かり、少しずつサムを受け入れられるようになります。そして、今まで自分が犠牲にしてきたものに気付くのです。サムの友人として弁護に全力で打ち込むリタ。リタの手腕で、サムとルーシーはふたたび一緒に暮らせるのでしょうか……。

 この映画のオープニングシーンは、スターバックスコーヒーで働くサムの姿。思わずスタバのCM? と思ってしまうほど大々的に映し出されます。サムが弁護士費用を稼ぐために時給のアップを求めたりする、ストーリーにも関わる重要なお店です。

 全編に流れるビートルズのカバー曲も印象的。サムとルーシーは“ビートルズマニア”で、ルーシーの名前もビートルズの曲からもらったものなのです。

 そんな細かい演出が随所に見られる「アイ・アム・サム」。最後にはサムとルーシーの愛に心を打たれ、暖かな感動に包まれる映画です。

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[本田亜友子, ITmedia]

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