Mobile&Movie 第25回
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作品名 | 春の日は過ぎゆく(ONE FINE SPRING DAY) |
監督 | ホ・ジノ |
制作年・製作国 | 2001年・韓国・香港・日本合作 |
ワールドカップの善戦とサポーターの興奮がまだ冷めやらない韓国から、今回は等身大のラブストーリーをご紹介します。サッカーにかける情熱とはまた違う、静かだけど強い愛の音色が「春の日は過ぎゆく」では奏でられています。
主人公のサンウは、録音技師。ラジオアナウンサーのウンスが自ら企画した番組の取材で、二人は出会います。待ち合わせの場所へ着いたサンウは、ベンチに座って眠っているウンスを見つけますが、声をかけるのをためらって、メモに書いてあった番号に電話をかけます。
「もしもし」
寝ぼけながら、携帯を取り出し答えるウンス。
「ここにいます。僕がかけました」
とウンスの前へ現わるサンウ。年上でバツイチのウンスと純情なサンウは行動をともにするうちに惹かれあいます。仕事が終わった後にウンスの方が積極的に
「泊まっていく?」
とサンウを誘い、2人は愛し合うようになります。
日本の街角でもよく見かけるように、飲み屋の前でほろ酔いになってウンスに携帯で電話をかけるサンウ。
「僕も会いたいよ」
「そんなに会いたい?」
「分かったよ。じゃあおやすみ」
いつでも声が聞きたくなった時に、2人をつなぐ携帯電話。そんな甘い会話が愛を育んでいきます。愛される幸せを味わっているサンウは、職場でも「何かいいことがあったのでは?」と聞かれるぐらい喜びが滲み出ていました。
しかし、その幸福な時間は長くは続きません。何がきっかけかわからないまま、2人の気持ちは少しずつずれてきてしまうのです。以前はあんなに声を聞き合っていたのに、今はフリップの開け閉めを繰り返すだけで、かけられない電話。枕元に置いて、いつ鳴っても取れるようにしておくサンウ。ウンスからの電話を待ちきれずに、電話をかけた時
「私から電話する約束でしょ!」
と冷たく言われ、心が変わってしまったことを知るのでした。
出会ったときには携帯電話がつないだ2人の絆が、電話の向こう側の答えによってちぎれてしまったのです。それでも諦めきれないサンウは、もう1度幸せだった時間に戻れるよう、ウンスを求め続けます。変わってしまった心は元に戻るのでしょうか……。
この映画のように、恋の始まりに携帯電話はかかせないものになっています。携帯電話を使ってアプローチすることで、進展していく関係は日本も韓国も同じようです。そんなどこにでもありそうな携帯電話での会話や、鳴らない携帯を見つめる眼差しを映した「春の日は過ぎゆく」を見ると、日本と恋の形も似ている韓国に親近感が湧いて来ます。
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