Mobile:NEWS 2002年8月19日 06:08 PM 更新

Mobile&Movie 第26回
トータル・フィアーズ 「ボルチモアに爆弾が運ばれました!」

映画の中の名脇役として登場する“モバイル製品”を紹介する「Mobile&Movie」。第26回は、米露関係の悪化を狙うテロリストに1人立ち向かうCIA情報分析官ジャックの戦いを描くアクション映画「トータル・フィアーズ」。大統領の危機を救うのは携帯電話!?

作品名トータル・フィアーズ(THE SUM OF ALL FEARS)
監督フィル・アルデン・ロビンソン
制作年・製作国2002年・アメリカ


 CIAの情報分析官ジャック・ライアンは、ロシア情勢のレポートで新大統領ネメロフ就任を予測したことから、キャボット長官にアメリカとロシアの和平プロジェクトチームの一員に任命されます。やがてチェチェンをめぐる干渉が始まり、ロシアとアメリカの関係は徐々に悪化して行きます。

 ロシアによるチェチェンの空爆の一報は、ホワイトハウスでのファウラー大統領のスピーチの後に知らされます。拍手の代わりに一斉に鳴り出す携帯電話の呼び出し音……。ネメロフ大統領の人物像を把握しているライアンにとって、空爆は不可解なものでした。ライアンは「ほかからの命令なのでは」と推測します。

 実際チェチェン空爆は罠の序章に過ぎず、テロリストたちは、アメリカとロシアの全面戦争を引き起こすために、核ミサイルを手に入れ、ロシアがアメリカに向けて発射したように見せかけようとします。

 ライアンは、敵の正体を知るために情報を収集していきます。核ミサイルの出所はどこなのか? そして、それを誰が操っているのか……。

 イスラエルで見つかった核ミサイルが、普通貨物として運搬されている記録を見つけたライアン。そして、その行き先に驚きます。それは、まさにファウラー大統領がスーパーボウル観戦に訪れているボルチモアだったのです。あわてて、キャボット長官の携帯に電話するライアン。しかし、スーパーボウルの興奮に呼び出し音が消されてしまいます。それでも何度もかけ直して、やっとつながると

「ライアンです」

「何だ? 聞こえない。かけ直す」

とキャボット長官に切られてしまいました。

 ライアンは諦めず、また電話します。

「ボルチモアに爆弾が運ばれました!」

 ライアンが伝えたかったことを理解したキャボット長官は、大統領をスーパーボウル会場から緊急避難させます。観客たちを残して立ち去ったあと、爆弾は会場で爆発、死の灰を降らせたのでした。こうして、携帯電話が大統領の命を危機一髪のところで救ったのです。

 ボルチモアは広範囲に渡って被害を受け、アメリカはこれをロシアによる攻撃と見なし、反撃しようとします。“目には目を”の核ミサイルによる報復は悲劇を生むばかり。ライアンは、本当の敵を突きとめ、大統領のミサイル発射命令を止めようとします。アメリカ、ロシアの両大統領に真実を伝えるために、ライアンはインターネットでメッセージを送ります。手に汗を握る緊迫した展開、ライアン1人の力で、第三者に仕組まれた世界大戦は阻止できるのでしょうか。

 情報分析官の必需品としてPDAがしばしば登場し、メールによって重要な情報を得る場面もありました。PCもDELL、IBMなどの最新機種が目白押しでした。

 「トータル・フィアーズ」は、テロ後のアメリカの今を映し、そして平和へのメッセージが込められた重厚な作品となっています。

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[本田亜友子, ITmedia]

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