Mobile:NEWS 2002年9月26日 09:27 PM 更新

FOMAの海外ローミング対応機は来年秋を予定

なかなかめどが立たなかったFOMAの海外ローミングが見えてきた。2003年秋にも対応端末がリリースされるという

 「来年の秋以降に発売されるFOMA端末で海外ローミングに対応しようと思っている」。ボイスエイジのセミナーに登壇したNTTドコモのモバイルマルチメディア事業部、吉田博之氏がFOMAの海外ローミング対応端末のリリース予定に言及した。

 海外ローミングを行うには専用の端末が必要となるため現行のFOMA端末をそのまま使うことはできない。ローミング先の通信キャリアとローミング方式について合意した後、その仕様に沿った端末が開発される手順となるが、ローミング方式をどうするかについては触れられなかった。


NTTドコモのモバイルマルチメディア事業部、吉田博之氏

 国際ローミングは、FOMAの搭載機能として注目されていた。しかしその開始時期は、当初の「2002年の春」から延び延びになっており、今年5月開催されたサッカーのワールドカップに「間に合わなくて残念」というコメントが出された後は、具体的な時期が示されていなかった。

 国際ローミングがなかなか進まない理由として、第3世代において複数の規格が標準になってしまったことが挙げられる。海外ローミングを実現するためには通信方式が統一される必要があり、海外でW-CDMA方式のサービスを提供する通信キャリアが出てこなければ、ドコモはやりたくても相互接続ができなかったのだ。しかも、現在のFOMAが採用しているW-CDMA方式は3GPPが定める標準方式より先にまとめられたため、標準方式搭載の端末との相互接続性には問題がある。実際、最新のW-CDMA方式を使って3Gサービスを開始するJ-フォンは、「今日になってみると、ドコモが出した3Gは3GPPと少し離れている部分がある」(Darryl E. Green社長)と語っている。

 2002年からドコモは欧州や米国などの通信キャリアと組んで国際ローミングの準備を進めており(7月18日の記事7月18日の記事参照)、米国やオランダでもFOMAのデモを行うなど3G戦略に力を入れている。冒頭の発言は、海外通信キャリアとのローミングに関する方針が見えてきたことによるものとも考えられる。



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[後藤祥子, ITmedia]

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