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2002年10月11日　09:51 PM 更新

Mobile&Movie 第33回
恋はワンダフル「驚かないで聞いて。こちらはお見合い祭りの真っ最中」

映画の中の名脇役として登場する“モバイル製品”を紹介する「Mobile&Movie」。今回は、「情報につながっていないと窒息しそう」というキャリアウーマン、マーシーが主人公の「恋はワンダフル」。携帯電話が使えない小さな町で、マーシーはどう動く!?

作品名	恋はワンダフル(The Match Maker)
監督	マーク・ジョフィ
制作年・製作国	1997年・アメリカ・イギリス合作

　マグローリー上院議員の秘書として働くマーシーは、男勝りのキャリア・ウーマン。マスコミのバッシングで再選が危うくなった議員は、ルーツであるアイルランド人の票を獲得すべく、血縁がいるバリナグラへマーシーを派遣します。

　選挙に勝つためのビジネスと割り切ってやって来たのは、アイルランド本土からさらに小型のセスナに乗り換えてやってきた島の小さな町。ホテルは満室でしたが、マーシーはロビーで悪態をつき、何とか“宝石箱”のような部屋を取ることができました。旅の疲れを取ろうとバスルームに入ると、そこには先客が。ロビーで睨み合いになった相手のショーンでした。2人は最悪の出会い方をします。

　バリナグラが、お見合い祭りで賑わっていることを知ったマーシー。祭りに参加するよう勧められますが、そんなことにはまるで興味なし。逆にそれを利用してお見合い会場で

「アメリカに渡ったマグローリーという一族を探しています。知っている人、4時に集まってください」

と、マイクの前で皆に呼びかけます。しかし、集まったのはマーシー目当ての男性だけ。彼らは情報を持っていないことがわかるとお払い箱にされてしまいます。

　思うようにはかどらない現状を、マーシーはボストンに報告します。

「マーシーよ」

　国際電話でつながったのは、議員と一緒に車で移動中の秘書ニックの携帯。ニックは、議員に電話を渡します。

「驚かないで聞いて、こちらはお見合い祭りの真っ最中

「何てこった」

「仕事は難航しそうです」

「いいか、私は家族観でかなり分が悪い」

　議員の劣勢を聞き、今回の調査の重要性を知ったマーシー。一刻も早く情報を得るために調査を進めますが、手がかりはゼロ。むしろ、家族はいないのではないかという疑念さえわいてきます。それを決定づけたのが、オコナー家系図センターで紙の山に埋もれていたノートPCの検索結果。書類しかないために時間がかかると思っていた家系図の調査は、データベースに“マグローリー”というキーワードを入れると、わずか1秒で答が出たのでした……“該当なし”という。

　無駄足になりそうで、落ち込んでいたマーシーを励ましてくれたのは、意外にもショーンでした。

「肩に力が入ってるぜ。リラックスしろよ」

「でも、窒息しそう。携帯電話も使えない。伝言も聞けない。不安なの。誰かにFAXしたい」

　動き回っていないと電池切れになってしまうマーシーも、美しい島の自然に心を癒されます。それもつかの間、何と議員が自らバリナグラにやって来てしまいました。血縁が見つからず、新たな計画を企んでいるよう。マーシーとショーンと議員までも巻き込んで、お見合い祭りは盛り上がっていきます。果たしてどんなカップルが誕生したのでしょう。

　バリナグラは、携帯の使えない町として登場しますが、アイルランド全体では、携帯電話の加入数が固定電話の加入数を超えています。首都ダブリンでは、携帯メールでタクシーを呼ぶ「イータクシー」というサービスもあるほど、携帯電話は普及しているようです。

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[本田亜友子, ITmedia]

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