Mobile:NEWS 2002年10月17日 01:27 AM 更新

激突! ドコモ・夏野氏 vs.KDDI・高橋氏


 アジア・ケータイ・カンファレンスJAPANのパネルディスカッション。業界通たちの注目はなんといってもNTTドコモのiモード企画部長、夏野剛氏と、KDDIのコンテンツビジネス部長、高橋誠氏のやり取りだ。

 ディスカッションで一緒になるたびに、対抗意識を燃やす夏野氏と、淡々と我が道を行く高橋氏。“芸風”の違う二人の今回の“対決”はどうだったのか──。


第1ラウンド──iモードに迷惑メールが多いのはどうして?

 iモードへの迷惑メールが、J-フォンやKDDIに比べて多いのは大方が認める事実。しかし、その“理由”は立場によって異なってくる。

 「EZweb@mailでは、電話番号をメールアドレスに使わなかった。そのため(電話番号がメールアドレスになっていたiモードに比べると)迷惑メールの被害が少なかった」と、さらっと先制攻撃に出たのはKDDIの高橋氏。

 早速、ドコモの夏野氏がこれに噛みついた。「電話番号がメールアドレスだからといって、迷惑メールが増えることにはならない。その証拠に、現在、iモードユーザーの9割以上が独自のアドレスに変更している」。独自アドレスに変えても、依然として迷惑メールは減っていないというわけだ。この捨て身の反撃、あまり自慢できることでもないような気もするが……。

 では、夏野氏によるiモードに迷惑メールが多い理由は何か。「ユーザー数が多い。しかもアクティブユーザー数が多い」。夏野氏はこう断言する。これには異論もあっただろうが、高橋氏は沈黙で身をかわした。

第2ラウンド──“携帯で動画”は何に使うもの?

 “携帯で動画”といえば、KDDIのムービーケータイがその急先鋒。Webサイトから動画をダウンロードして再生できるだけでなく、端末で撮影した動画をメールで送信することもできる。

 KDDIの高橋氏は「携帯で、ユーザーが映画を見るとは思えない。表現能力の1つとしての動画はあり得る」と説明する。Eコマースなどの中で使う表現手段の1つが動画──そういうスタンスだ。

 夏野氏はこれにも「宗旨替えした」とクリンチに出た。「(私が)当初から言っていたとおり。まったく高橋さんと同意見だ」と皮肉る。

 FOMAの動画クリッピングサービス「iモーション」の発表時に、夏野氏は「動画だけですべてが完結するわけではない。動画は1つのツール」としている(2001年11月の記事参照)。対する高橋氏は、動画クリッピングを「15秒の芸術」と形容。短いながらも、単体の作品として評価するユーザーもいるのではないかとしてきた。これを指して“宗旨替え”と言っているわけだ。これは高橋氏にちょっと分が悪い。

 もっとも、実際のサービスでの成否で見れば、KDDIの動画とFOMAは、到底比較できない。一瞬、声を詰まらせた高橋氏だが、苦笑いで済ませていたのは余裕か。

第3ラウンド──携帯Javaはウチが一番!

 携帯Javaが「今ひとつ浸透していないのでは……?」という会場からの質問に、夏野氏はiアプリ対応機が既に1500万台を突破したと応じ、高橋氏に向けて「そろそろ、ドコモのJavaが一番だ、ということを認めてくれてもいいんじゃない?」と、冗談交じりに付け加えた。

 高橋氏が「確かにドコモが最も成功している」と受けると、夏野氏はうれしそうにガッツポーズ。会場を沸かせた。夏野氏ならではの茶目っ気のある行動だ。

最終ラウンド──3Gで負けても……

 対抗意識を燃やす夏野氏だが、どうやっても勝ち目がないテーマが1つある。言わずとしれた3Gだ。

 KDDIの第3世代携帯電話サービス「CDMA2000 1x」はFOMAを完全にノックアウト。既に265万契約に達しているからだ。だが、負けず嫌いの夏野氏はそれぐらいではめげたりしない。FOMAでは負けても、主力機では負けていないと自信満々だ。「28.8Kbpsなんで、3Gとは呼んでませんが、504iは……」。お見事です。



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[斎藤健二, ITmedia]

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