シャープ、ガラス基板上にCPU「Z80」の形成に成功〜CGシリコンで シャープと半導体エネルギー研究所は世界で初めてガラス基板上の8ビットCPUの形成に成功した。液晶ディスプレイにCPUを組み込む技術が実証されたことで、“シートコンピュータ”などへの道がひらけた。2005年をめどに、商品化する
シャープと半導体エネルギー研究所は10月22日、共同開発したCGシリコン技術を用いて、液晶用ガラス基板上に8ビットCPUを形成することに成功したと発表した。同社によるとガラス基板上でのCPU形成は世界で初めて。 両社では、液晶ディスプレイのガラス基板にCPU、メモリなどを一体形成するめどがついたことから、「“超薄型シートコンピュータ”“シートテレビ”への実現に一歩踏み出した」としている。
半導体エネルギー研究所の山崎舜平社長は「ガラス上のCPUは通常の技術の世界では考えられないこと。最終ゴールがCPUだった」としている。形成したCPUはザイログ社が開発した「Z80」。1万3000個のトランジスタを3μmルールで形成した。 CGシリコン(Continuous Grain:連続粒界結晶シリコン)はシャープが押し進める「システム液晶」のコアとなる技術。従来の低温ポリシリコン(多結晶シリコン)に比べ3倍程度高い電子移動度を持ち、液晶のガラス基板上にさまざまな回路の形成が可能となっている。従来、ドライバICや各種LSIを液晶基板上に載せ込めることがメリットとされていたが、CPU回路の形成が実証されたことでコンピュータ自体を液晶と一体化できる可能性がひらけた。
製品化は、0.8μmのプロセスルール、30MHz程度の動作速度が実現する2005年の第3世代と想定している。「製品化時に対象となるCPUコアは、ARM7やARM9」とシャープの三坂氏。 シャープのモバイル液晶事業本部の片山幹雄本部長は、「2005年までには、ガラス基板上にディスプレイやCPUを搭載した“ディスプレイカード”のようなデバイスを実現していきたい」と話している。
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