Mobile:NEWS 2002年12月2日 00:29 AM 更新

日本TI、VGAを毎秒30フレームでMPEG-4圧縮/伸張可能な低消費電力DSPを発表

日本テキサス・インスツルメンツは、VGA解像度で毎秒30fpsのMPEG-4動画像のリアルタイム圧縮/伸張が可能な画像処理チップ「TMS320DM270」を発表した

 日本テキサス・インスツルメンツは12月2日、VGA(640×480ピクセル)の解像度で毎秒30fpsのMPEG-4動画像のリアルタイム圧縮/伸張が可能な画像処理チップ「TMS320DM270」を発表した。


TMS320DM270

 TMS320DM270は、すでに実績のある低消費電力DSP「TMS320C54x」と、英ARMの「ARM7TDMI」プロセッサコアを1チップ化した、デジタルカメラ向けの画像処理チップ。90MHz動作のDSPと80MHz動作のARM7、さらに180MHz動作の画像処理エンジン4つを並行動作させることにより、VGA画像をリアルタイムにMPEG-4/30fps(フレーム/秒)で圧縮/伸張できるという。MPEG-4以外にも、JPEG、MPEG-2、H.263/26L、M-JPEG、DivX、WMV、Nancyなどの動画コーデック、ATRAC3、AAC、G.726、G.723.1、AMR、WMAなどの音声コーデックなど、多様なコーデックを用意しており、プログラマブルDSPのソフトウェアを入れ替えるだけで対応できる。


TMS320DM270は、従来製品の2倍のパフォーマンスを達成した

 また、ワイヤードロジックによるプレビューエンジンやピクセル・プレプロセッサ、リアルタイムAF、AWB、AE統計値エンジンといったデジタルカメラに特化したハードウェア、各種メモリカードインタフェースも備えている。チップは0.13μmプロセス技術で製造しており、パッケージは16ミリ角または12ミリ角の288ピンMicroStar BGA。サンプル出荷を2003年第1四半期に予定しており、2003年7月に量産開始の予定。価格は10万個以上発注の場合に13ドル以下。

 東京・西新宿の本社で開催した記者発表会で日本TI DCESカンパニープレジデントの岡野明一氏は、TMS320DM270を「(その登場によって)2003年のデジタルカメラシーンが変わる」と自信のほどを示した。TMS320DM270を搭載すれば、200〜500万画素CCD搭載のデジタルカメラにVGA動画録再機能を付加し、また2003年に登場する130万画素CCD搭載携帯電話に高性能の静止画・動画録再機能を付加できるという。「2003年には携帯電話にメモリカードスロットが当たり前になる。1GBのカードにMPEG-4動画像なら40分が記録可能だ。メールするのではなく、メモリカードスロットを備えたTVやDVDプレーヤーで再生する、TIとしてはそうしたシーンを作り出したい」(岡野氏)。


日本TI DCESカンパニープレジデントの岡野明一氏

 DCESカンパニーは日本TIが2月に設立した新しい組織。TIの筑波テクノロジー・センターとBurr-Brownから買収した厚木テクノロジーセンターを統括し、本部は新宿本社内に置いている。TIの強みであるDSPとアナログICを中核に、デジタルオーディオとデジタル画像処理向けの製品を提供するという。デジタルカメラやカメラ付き携帯電話などの分野では、CCDやレンズといったキーデバイスを日本メーカーが製造していることから、世界のTIの中で東京を開発本部に選んだとしている。

 TIは、ワイヤレス、ブロードバンド、エマージングプロダクツ、DLPに続くシステム製品の5番目の柱としてデジタル情報家電(製品)を位置づけている。これまではASICが多く利用されてきた分野だが、プロセスが微細になり、また次々と新しい機能が要求されるようになるにつれて、プログラム可能というDSPが活躍する市場になりつつある。日本TIではDCESカンパニーを中心にデジタル情報家電向けに積極的な製品展開を図っていく構えだ。

関連リンク
▼ 日本テキサス・インスツルメンツ

[佐々木千之, ITmedia]

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