Mobile:NEWS 2002年12月24日 08:03 PM 更新

Mobile for KIDS
第10回 携帯ゲームの過去と未来

携帯ゲームというと、最近ではiモードなどでできるJavaアプリを想像する人も多いようだが、ここではゲーム専用端末に関する話題をお届けしよう。クリスマスプレゼントとしても人気のゲーム機市場、やはり古いもののレア度が急激に上昇中のようだ

 持ち運べるゲーム専用機といえば、すぐに思い出されるのが任天堂の「ゲームボーイ」シリーズだ。1989年4月21日に初代ゲームボーイが発売されて以来、現在の「ゲームボーイアドバンス」(GBA)に切り替わるまで、世界中で約1億台が売れたという。ゲームソフト「ポケットモンスター」の大ヒットで、小学生の“必需品”になったことも記憶に新しい。

 電車の中などで、ゲームボーイで楽しそうに遊ぶ子供を見かけることがある。大人がゲームボーイで遊んでるのを見かけると、「あれ、新しいPDAが出たのかな」と思うこともしばしばだ。だが、こうしたゲームとは明らかに異なる種類のゲーム機で遊んでいる人に出会うことがある。そっと画面を覗き込んでみると、あの名作「テトリス」だったりする。

 テトリスは1987年に世界デビューしてから、いまだに根強い人気を誇るゲームソフトだ。3人のロシア人の手によって生まれたテトリスは、IBM PC用ゲームソフトをはじめとして、ファミコンや専用端末に次々と移植され、今ではiモード端末「P502i」以降のPシリーズにプリインストールされている。

 だが、テトリスをプレイするのに、iモード携帯よりも最適な機種が存在する。それがヒロの「テトリスJr.」(ジュニア)だ。1000円という低価格はもちろんのこと、キーホルダー付きで携帯がしやすく、ゲームバリエーションも豊富なゲーム機だ。電車での通勤(特に帰宅)途中にこうしたゲームで遊んでいるビジネスマンを見たら、まずそれはヒロの製品だろう。

 ヒロは小型LCDゲームの開発、製造、販売を行う会社で、テトリスJr.のほかにパックマンやスペースインベーダー、チョロQレーシングなどの携帯ゲームを商品化している。コントローラに特徴のある「電車でGO!マスコン」や、リール形状のゲーム機「ジュニアバスフィッシング」でおなじみかもしれない。

LCDゲームの意外な人気

 ところでLCDゲームの元祖といえば、これまた任天堂の「ゲーム&ウォッチ」が思い出される。ソフトは「ドンキーコング」が最も有名だが、ファミコンで大活躍した「マリオ」もここから誕生した。筆者のお気に入りは「オクトパス」だった。

 ゲーム&ウォッチは1980年に登場し、世界中で3000万台以上を売上げたという。最後の機種が発売されてからすでに十数年が経過したため、今となってはほとんど見かけることもなくなった。ところが意外なところでこのゲーム機にお目にかかることになる。

 連載の第8回でお伝えした「横浜ブリキのおもちゃ博物館」。主役であるブリキとは無関係だが、古いおもちゃということでLCDゲームやファミコン、ブロック崩しなどが展示されていたのだ。


 博物館スタッフの方によれば「LCDゲームは最近、中古品の市場ができ上がっていて、かなり高値で取引されている」という。発売当時、5000円程度で販売されていたゲーム&ウォッチだが、希少性の高いものはかなり値がつり上がるらしい。調べてみたら確かに8万円以上(http://auctions.yahoo.co.jp/)の値がつく商品もあった。

携帯ゲームの決定版?

 ゲーム&ウォッチは、ユーザーによるゲームの入れ替えができないため、カセット方式のゲームボーイが開発された。ゲームボーイの成功により、セガから「ゲームギア」(1990年発売〜販売終了)、バンダイ「ワンダースワン」(1999年発売)が発売され、携帯ゲーム機はほぼ市場を形成したといえる。

 据付けタイプの家庭用ゲーム機では、ソニー・コンピュータエンタテインメントのプレイステーションが勝利をおさめたように、携帯ゲームではゲームボーイの独壇場である。そんな中、携帯電話会社のノキアが携帯ゲーム市場に参入する(11月5日の記事参照)。しかも開発元はあのセガである。


写真:http://www.forum.nokia.com/pics/N_gage_hottopics.jpgより

 ノキアのゲーム機は「N-Gage」と呼ばれ、同社のプラットフォーム「シリーズ60」を採用した携帯電話仕様の製品だ。2003年2月以降、ヨーロッパ、アジア、アフリカでの販売が予定されている。

 製品の詳細は未定だが、おおまかにいえば、メモリカードによるゲームソフトの入れ替えが可能なゲーム機で、iモードなどのJava携帯同様、通信回線でゲームソフトをダウンロードしてプレイすることもできる。通信回線としてGSM、およびGRPSが利用され、通常の携帯電話のように通話にも使えるようになる。

 マルチプレーヤへのインタフェースにはBluetoothが採用された。中央に位置するブラウザ部はWAPおよびJavaに対応し、MMSによるメッセージ交換機能などを搭載する。

 携帯ゲーム、家庭用ゲームでいずれも苦杯をなめたセガだが、いよいよ3度目の正直となるか、興味をもって来年の動向を見ていきたい。



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▼ Mobile for Kids連載
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「N-Gage」によりNokiaは、ゲームパブリッシャーとしての役目も担うことになる。同社はゲームの開発でセガから協力を得ることを発表した


関連リンク
▼ ヒロ
▼ Fredrik's Game&Watch Collection
▼ ノキア Mobile Games

[鈴木晴代 & 江戸川, ITmedia]

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