Mobile:NEWS 2003年1月9日 08:59 PM 更新

京セラのPDA「PocketCosmo」の性能は?

エンタープライズ向けPDAとして発売された「PocketCosmo」。量販店などでは販売されていないため目にする機会も少ないが、実際に使ってみるとその完成度の高さに驚かされる

 京セラの「PocketCosmo」というPDAは、エンタープライズ向け製品として販売されていることもあり、ほかのPDAほど知名度の高い製品ではない。量販店などでは販売されておらず、コンシューマー向けには「jpda.jp」サイトでのWeb販売のみと、実機に触れる機会がほとんどない製品だ。

 Pocket PCでもなければPalmデバイスでもなく、国内市場においては独自系のOSとソフトウェアを搭載したPDAだ。

PDAとしての「PocketCosmo」

 しかしこのPocketCosmo、PDAとしてはなかなか魅力的な製品だ。QVGAのカラーディスプレイを搭載したPDAとしては非常にコンパクトで、操作性もいい。PIMはOutlookとの同期も可能で、この点ではほかの国産PDAと比べても見劣りしない。

 右側面には上下キーと決定キーを兼ねる「サイドコントローラ」と「ESC(エスケープ)キー」を備えるのだが、この2つだけでビューワとしてのほとんどの操作が行える。ソフトウェアの設計レベルでこの2つのキーの利用を前提にしているのだと思われるが、サイドキーで情報を選択し、ESCキーで戻るという片手で可能な操作体系が徹底しているのだ。この点は同じく側面にキーを備えるPocket PCより明らかに使いやすい。


メインメニュー画面には縦に項目が並び、スクロールする。一見むだのあるようにも思えるが、縦一列にすることでサイドコントローラによる操作を容易にしている


左からサイドコントローラ、ESCキー、電源スイッチ。選ぶ、進む、戻るを親指のわずかな動きだけで快適に行える。電源スイッチはスライド式なのでカバンの中に放り込んでも誤動作する可能性は低い

 ブラウザもQVGAという限られた画面サイズを有効に活用できるようになっている。フォントだけではなく画像も含めてWeb全体を拡大縮小する機能があり、この点では明らかにPocket PCのPocketIEより視認性は高い。

 またサイドコントローラがスクロールではなくリンクの移動に割り当てられているため、サイドコントローラの操作だけで、どんどんリンクをたどることができるのだ。


左のように最大表示が本来のWebのイメージに最も近いが、さすがにQVGAディスプレイでは情報量が少なすぎる。右の最小表示にすれば情報量は格段に増加し、より実用的なブラウジングが可能になる

 メーラーはマルチアカウント、自動巡回、自動フォルダ分け機能を備え、PDAのメーラーとしては優秀。任意のアカウント、フォルダへのアクセスもサイドコントローラの操作だけで行える。また「新着メール一覧」ではアカウントや保存先のフォルダに関係なく未読メール一覧を表示可能。とりあえず受信したメールを確認するのも簡単に行える。


メールはトップメニューからメール一覧を選択すると、アカウント一覧、フォルダ一覧、メール一覧、メール表示までサイドコントローラだけで行え、ESCキーで1ステップずつ戻ることもできる。メール表示中にサイドコントローラを押すと次のメール(一覧で1つ下)を表示させされ、片手で持ったままどんどんメールを読み進められる


振り分けはto、from、件名などをキーに行える。受信時に自動で行うこともできるし、任意のタイミングで行うこともできる。PDAの機能としては十分だ

 メールの添付ファイル表示にも利用されるファイルビューワも非常に優秀だ。PCで利用されている多くの画像フォーマット、一太郎、Wordで作成された文書、Excelで作成されたスプレッドシート、PowerPointで作成されたプレゼンテーションデータを表示可能で、さらにZIP、LZH(LH5のみ)形式で圧縮されたファイルの中身も表示できる。対応ファイルには含まれていないが、筆者の確認した範囲ではpdfも表示可能であり、このファイルビューワはPDA標準の機能としては最強の印象を受けた。


画像表示ではjpegを筆頭にBMP、TIF、GIF、PNGなど多くのフォーマットに対応し、拡大縮小も可能だ


圧縮ファイル内のファイルも閲覧できる。圧縮ファイルを選択すると内部のファイルが表示されるので、閲覧したいファイルを選ぶだけ。いちいちファイルを取出す必要もなく、せっかく送付してもらったファイルがPDAだから参照できないということもない

 文字入力には「ATOK for PocketCosmo」が採用されており、画面上のソフトキーボードでの入力と手書き入力が可能だ。ソフトキーボード利用時にはPCのIMEと同様に入力モードを気にすることなく、例えばローマ字カナ入力のままでもキー入力そのままに英字に変換したり、全角から半角への変換も行える。文字種ごとにいちいち入力モードを切り換えずに済むのは非常に便利だ。


ローマ字カナ変換のまま「zd-net」と入力し、英字キー、半角キーを叩くと1バイト英小文字での文字入力になる。英単語が混ざるような文章の入力時に入力モードを切り換えなくていいのはかなり便利

 手書き認識の精度は今ひとつの感があるが、予測変換機能はよくできている。かな漢字変換の変換結果だけではなく、手書き入力で確定した文字情報も予測変換に含めてくれるからだ。例えば手書き入力で「こんにちわ」と入力し、確定すると以降には「こ」と入力しただけで自動的に変換候補として「こんにちわ」が選択できるようになる。予測変換のためにキー操作は一切不要だ。


予測変換はかな漢字変換だけではなく、英字入力などにも有効。また手書き入力時にも有効で、特別な操作も必要なく自然に利用できる



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[坪山博貴, ITmedia]

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