Mobile:NEWS 2003年1月27日 04:07 PM 更新

ケータイカメラ画質研究ラボ〜ドコモ「F504iS」

カメラもライトもツインの富士通製「F504iS」。11万画素カメラの画質や、撮ってから送るまでの操作性をチェックした

 カメラ付携帯電話が登場してずいぶんたち、それが当たり前になった2003年であるが、カメラの性能には相変わらずバラツキがある。高画素がいいわけではないが、せめて320×240ピクセルレベル(iショットならLサイズ)では、それなりにきれいな絵を見せてほしい……そう思う。

 富士通製の「F504iS」(2002年12月26日の記事参照)は、「P504iS」(2002年12月13日の記事参照)に続くツインカメラ搭載機である。自分撮り用と正面撮り用にそれぞれ11万画素CCDのカメラを持っているのだ。

 この性能や使い勝手をいつもの5つのポイントでチェックしてみよう。

1)撮ってからそれを送るまでの使い勝手はいいか
2)屋外での画質はいいか
3)室内での画質はいいか
4)暗いところでも撮れるか
5)その端末ならではのユニークな機能はあるか

基本的な使い勝手とカメラ機能

 「F504iS」は、ツインカメラにツインフォトライトにムービー撮影と機能が充実しており、カメラを軽視していないことがわかる。

 カメラの起動は簡単で、右ボタンを長押しすればOK。ただしメニューからたどる際には少し悩む。カメラ機能メニューはなんと「便利な機能」の中に含まれているのだ。これはちょっと「なんだかなあ」である。

 撮影時にいちいちメニューをたどる必要はないが、撮影してマイピクチャにためこんだ写真を再生したいときには、メニューから「便利な機能」-「カメラ機能」-「マイピクチャ」と進まねばならない。これはちょっと面倒。

 なお再生時は、1画面に4枚ずつのサムネイル表示も可能だ。

 撮影モードはiショット(S)とiショット(L)、そして待ち受け画面の3パターン。VGAモードはない。

 ムービー撮影モードではファインモードとノーマルモードの2パターン。ファインモードでは連続2分の撮影が可能だ。ただし、ここで撮ったムービーは「F504iS」上で見るだけ。メールで送ったりはできない。

基本画質のチェック

 薄曇りというあまりいい条件下ではなかったが、屋外で撮影した写真を3枚用意してみた。いずれもiショット(L)で撮影し、メールで転送したものだ。


 注目すべきは一番右の画像である。空にはどんよりと黒い雲がひろがり、わずかな隙間に青空が覗いているが、絵としては不自然。妙に青空だけが爽やかな色で浮いている。全体にかなり彩度が強調された絵作りになっているのだ。2枚目のすべり台の写真の空を見ても、青い色が残っているところと白くとんでしまったところがすごく極端に分かれているし、すべり台の赤もかなり濃く目立っている。ディテールは甘いが色はとても強調されているのが、F504iSのカメラの特徴なのだ。

 ちなみに、画角は広めで扱いやすいが、iショット(L)モード時はデジタルズームは効かない。iショット(S)時は2段階のデジタルズームが可能になる。

室内での画質をチェック

 室内での撮影でも、彩度が強調されて色が濃いめに出るという特徴はそのまま生きており、屋外ほど極端な輝度や微妙な色合いがない室内ではそれがいい方に出ている。


蛍光灯下で撮影

 これは蛍光灯下で撮影した瓶や缶の写真だが、右下のニッキ水の便などは中の液体が実際より鮮やかに出ているほどだ。特に原色系が鮮やかに出るようだ。


白熱灯下で撮影

 白熱灯下では色が強調された分、照明の赤みが強く出てしまった。オートホワイトバランスが追従しきっていないのだが、白熱灯下に関してはこのくらいでも問題はなかろう。それよりは、やや露出アンダー目でくすんで見えるのが気になる。


 もう1点、猫の写真である。これを見るとディテールがやや不自然につぶれてしまった点と、猫の白い毛が照明の当たり具合で微妙に青白かったり黄色っぽかったりする点が気になるところ。もうひとつ、じつはこの猫の毛は白とグレーで、こんなに真っ黒ではないのである。コントラストや色が強調された結果、濃いめのグレーが真っ黒になったとみていいだろう。

ろうそくの灯りで……暗所での撮影

 部屋の照明を消し、ろうそく2本の灯りで撮影してみた。暗いとこんな風になるという例だ。


ろうそくの灯りのもと、通常の撮影モードで

 これは通常の撮影モードで撮ったもの。暗部はノイズだらけになって黒の締まりもない。


ろうそくの灯りのもと、フォトライトを使って撮影

 そこでフォトライトを点灯させて撮影。手前のフォトライトが十分に当たっている箇所はやや青っぽくなったがこういう暗所でなおかつ近距離だとフォトライトがうまく効く。

 逆に普通の室内ではフォトライトの効果はほとんどないし、なくても撮れるので使う必要はなさそうだ。このフォトライトは内側にも外側にもついているが、遠くには届かないので自分撮りモードではよほど暗くないとライトの効果は分からないだろう。


ろうそくの灯りのもと、シャッタースピードを遅くして撮影

 「F504iS」はさらにシャッタースピードの設定を速い(通常)/遅い(暗い場所)の2段階切り替えができる。暗いところでは「遅い」にすればいいというわけでやってみたところ、このような写真となった。通常撮影で見られた暗部のノイズは消えているが、ろうそくとしては不自然な赤みが出てるのが難点。

連写や画像編集機能もあるが

 基本的なカメラ機能は上記の通り。

 さらに撮影時には、フレーム付きの撮影や連写撮影、再生時には画像編集機能もあり、画像編集にはくっきり補正、明るい部分の補正、暗い部分の補正と簡単な色補正機能まで備えている。しかしこれらは、最も高解像度である「iショット(L)」では使えない。

 デジタルズームも含めて、iショット(L)では撮影のみ、あれこれ遊びたいときはiショット(S)か待ち受け画面モードで撮りましょうという設計なのだ。つまり、ツインカメラ機能は画質よりもお遊び中心であるということ。

 それが分かっていれば、けっこう楽しめる端末である。



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[荻窪圭, ITmedia]

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