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2003年1月28日　03:49 PM 更新

PCからFOMAにテレビ電話〜NTTグループ3社

NTT、NTT-BB、ドコモの3社はPCのインスタントメッセンジャーのビデオチャットとFOMAのテレビ電話を接続する技術を実用化した。2003年度上半期を目処に商用化する

　NTT（持株会社）とNTT-ブロードバンドイニシアティブ（NTT-BB）、NTTドコモの3社は1月28日、PCとFOMA端末を相互に接続しテレビ電話が可能な映像コミュニケーションプラットフォームを実用化したと発表した。

　このプラットフォームを用いることで、PCからFOMAへ、FOMAからPCへテレビ電話をかけることが可能になる。NTTのブロードバンド推進室担当部長の米川達也氏は、「“光”新世代ビジョンのなかで謳っている、いつでもどこでも誰とでものコミュニケーションを具現化する第一歩」としている。

　NTTのサイバースペース研究所が、PC用のインスタントメッセンジャー（IM）とFOMA用のiアプリを開発。ドコモはIP網とFOMA網の変換サーバを開発した。ビジネスの主体は、システム構築を行ったNTT-BBが担当する。1月29日からNTT-BBのWeb上で一般ユーザーおよび法人ユーザーからモニターを募集し、2月から2カ月程度試験サービスを実施する。商用サービスは2003年度上半期を目標としている。

PCのインスタントメッセンジャーからFOMAにテレビ電話をかけたところ。インスタントメッセンジャーは、グローバルIPアドレスが必須でNATやファイヤウォールを越えての接続は行えない

異なるプロトコルを変換−ビデオチャットとテレビ電話

　このプラットフォームの特徴は、これまで独立していた2種類のプラットフォームを相互接続できたことにある。通常PC上のビデオチャットは相手はPCだけ、FOMAのテレビ電話もFOMAとしかつながらない。利用する回線や接続のためのプロトコルが異なっていたためだ。

プラットフォーム	回線方式	プロトコル
PCビデオチャット	パケット	SIP、H.323
FOMAテレビ電話	回線交換	3G-324M

　ドコモが開発した変換サーバは、回線方式（ベアラ）とプロトコルを相互に変換する。「このプロトコルは水と油みたいな違いがある」（ドコモクロスメディアビジネス部サービス推進担当部長の児玉充氏）と言うが、タイムラグ200ミリ-300ミリ秒程度でリアルタイム変換を行う。

　PC側のIMは、文字によるチャット、相手の状態を把握できるプレゼンス機能などを持つ。FOMA向けのiアプリからでもPCのIMのプレゼンス情報を取得でき、相互にテレビ電話の呼び出しも行える。

送信先＼受信先	PC-IM	FOMA
PC-IM	テレビ電話呼び出し・プレゼンス閲覧	テレビ電話呼び出し・−
FOMA	テレビ電話呼び出し・プレゼンス閲覧	テレビ電話呼び出し・−

FOMAからは、まずiアプリを立ち上げ、iモード経由でPCのインスタントメッセンジャーのプレゼンスを確認する。そこからテレビ電話を呼び出す形になる

FOMAのiアプリの画面。登録したPCのインスタントメッセンジャーのプレゼンスが○／×表示されている。FOMA側のプレゼンスは把握できない

ビジネス〜まずはNTTグループ内から

　2002年度上半期から予定している本サービスは、「まず（自社のISPサービスである）BROBAユーザーに提供していきたい」（NTT-BBコミュニケーションサービス部長の佐久田浩司氏）。PCのIMを使ったビデオチャットでは無料のものが主流だが、今回はFOMAと接続するため有料が前提となる。PCからFOMAに電話をかけた場合も接続料が発生するからだ。「月額定額にするか従量にするか見極めていきたい」（佐久田氏）。

　ドコモの変換技術は利用価値が高い。ほかのISPに技術を提供すれば、各種IMからFOMAにテレビ電話をかけられるようになり、FOMAの利便性の向上と共に、トラフィック収入も期待できる。ドコモの児玉氏は「ライセンスや技術協力は未定」としている。

　各社とも、まずはNTTグループ内でサービスを成り立たせることに主眼を置いている。NTTの米川氏は「ISDNのテレビ電話、グループ内ISPのビデオチャットなども、今後整理したり、ユーザーが多くの人とコミュニケーションできるように検討していきたい」と、グループ内相互接続への意欲を話した。

関連リンク
ニュースリリース
NTTドコモ

[斎藤健二, ITmedia]

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