Mobile:NEWS 2003年2月12日 11:03 PM 更新

携帯で聞いて、コンビニで楽譜をプリント〜ヤマハの「ピアノハーツ」

リアルサービスとの連携が模索されるコンテンツビジネスにユニークなモデルが登場した。ヤマハは、携帯電話とコンビニという2大インフラを連動させ、「いつでもどこでも」楽譜を入手可能にするサービスを開始する

 「聴くだけでなく、演奏して楽しむ」をコンセプトに、ヤマハが2002年5月に立ち上げたのが「ギターハーツ」(2002年5月15日の記事参照)。携帯電話をギター演奏の支援ツールとして利用するこのサービスは、累計で5万人の入会者を獲得した。

 ヤマハが次のターゲットとするのが「ピアノ」市場。ピアノ製造で100年の歴史を持つ同社が3月17日からiモード向けの新サービスとして提供するのがピアノ愛好家向け情報サイト「ピアノハーツ」と、iモードを使った楽譜プリントサイト「コンビニ楽譜プリントサービス」だ。


「ピアノハーツ」「コンビニ楽譜プリントサービス」の発表会に登場したのは、左からヤマハのコンテンツ事業推進部 谷口恵治部長、ヤマハミュージックメディアのメディア開発部 細川知嗣部長、アイ・コンビニエンスの前野寛社長

 「ピアノハーツ」は、ピアノを楽しむ人を対象に着メロや各種情報を配信するサイト。サービス開始時には、J-POPで人気の曲や、クラシックおよびポピュラーの定番曲、バイエルなどの練習曲など600曲の着信メロディがラインアップされる。「月間piano」誌と連携したコーナーや、全問クリアすると着メロを1曲無料ダウンロードできる音楽クイズコーナーも用意され、無料コーナーでは着メロの視聴や楽譜カタログの閲覧が行える。利用料金は、クラシック曲取り放題+著作権曲5曲のダウンロードで月額200円。


提供される着信メロディは、ピアノ演奏向けの曲をラインアップする「弾いちゃお」、鑑賞向けに通常の着メロより長めな演奏の「超サウンド」、クラシックの名曲を選んだ「クラシック名曲100選」、バイエルやハノンなど教則本の楽曲を着メロ化した「教則本」の4カテゴリーに分けられている

 注目なのは、気に入った曲の楽譜をローソンでプリントアウトできる「コンビニ楽譜プリントサービス」との連携。ギターハーツは、メロディと共にギターのコードが表示されるアプリケーションが「弾く楽しみ」をサポートしたが、「ピアノハーツ」では、コンビニインフラとの連動により、場所や時間を問わず楽譜をプリントできる仕組が作られた。

 ユーザーは、「ピアノハーツ」で気に入った曲を「コンビニ楽譜プリントサービス」で検索し、表示された楽譜番号をローソンのキオスク端末「Loppi」に入力。「Loppi」から出力される申し込み券をレジに持ち込むと、店員がレジに設置されているプリンタで出力してくれる。1曲あたりの楽譜の代金は200−400円程度で、支払いはコンビニで行う。スタート時に用意される楽譜は300曲。以後毎週6曲程度の楽譜が追加される。

 「ピアノハーツ」「コンビニ楽譜プリントサービス」は、サイト運営などの事業主体をヤマハが担当。着メロデータ制作はヤマハミュージックメディア、課金およびプリントシステムは「アイ・コンビニエンス」が担当する。

 「コンビニ楽譜プリントサービス」では、2月17日から3月16日までお試し期間を設定、「大きな古時計」「アメージンググレース」「乙女の祈り」の着信メロディと楽譜プリントを無償提供する。本サービス開始後は、「ギターハーツ」で提供している楽曲の楽譜も、同サイトを通じて購入できるようになる。


楽譜のプリントは、楽譜の商品番号を知っていれば、携帯電話を持っていない人でもローソンからプリントできる。友達から教えてもらって楽譜を入手することも可能だ。本サービスでは、人気J-POPアーティストの新譜もCD発売後1週間を目処に着信メロディ、楽譜ともに提供するという。4月には人気ピアニスト、西村由紀江氏のオリジナル曲の着メロも配信される


プリントされた楽譜の一部をスキャンしたもの。ローソンに設置されているのはインクジェットプリンタで、耐水性の紙に1400dpiでプリントされるという

「聴く」から「弾く」への喚起を

 楽譜プリントのシステム作りや課金を担当するアイ・コンビニエンスは、コンビニエンスストアと携帯電話の連携を図る目的でドコモやローソンらが設立した会社。現在、携帯電話とローソンに設置されたプリントを連携させた32のコンテンツを提供している。携帯カメラで撮影した画像をプリントする「わくわくiプリント」(2月6日の記事参照)のシステムも同社によるものだ。

 アイ・コンビニエンスが2002年12月、2万5000人を対象に行った調査によれば、携帯と連携したプリントコンテンツで欲しいものの1位に挙がったのがケータイカメラのプリントサービスで2位がアイドルやアーティストの情報。3位にランクインしたのが楽譜や歌詞のプリントサービスだったという。「占いなどが人気だと予測していたが、楽譜や歌詞のニーズが高いことが分かった」(前野氏)。

 2002年9月−12月に行われた試験サービスでも、1曲ずつ買える手軽さや、深夜にも買えることなどから反響は上々。1人が2回以上リピートするなど「聴く」から「弾く」への喚起につながる結果が出たそうだ。

 ヤマハの調査によれば、日本のピアノ人口は推定で200万人でピアノ楽譜市場は100億円。最近の傾向として30代−50代の層が増えているといい、「忙しくて買いに行けない」世代を取り込むサービスとして注目を集めそうだ。




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[後藤祥子, ITmedia]

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