Mobile:NEWS 2003年2月21日 10:00 PM 更新

Mobile&Movie 第50回
黄泉がえり「あの、携帯お持ちですか?」

映画の中の名脇役として登場する“モバイル製品”を紹介する「Mobile&Movie」。今回は、死んだはずの人が甦るという不思議な現象を前に奔走する男を描く人間ドラマ「黄泉がえり」。“黄泉がえり”のタイムリミットを前に携帯が活躍します

作品名黄泉がえり
監督塩田明彦
制作年・製作国2002年日本作品


 九州の阿蘇地方で、死んだはずの人間が当時のままの姿で現われるという奇妙な現象が発生したことから、この物語は始まります。次々と甦る死者の姿は、幽霊などではなく人間そのもの。科学的解析をするために厚生労働省から派遣されたのは、阿蘇出身の川田でした。

 甦った人たちを調べていると、「会いたい」と強く想い続けていた人のもとに、帰ってきていることが分かりました。行方不明になっていた少年、唯一の肉親だった兄、幼い子供を残して亡くなった夫、最愛の妻、自殺した高校生。彼らが戻ってきたことに、とまどいを隠せない家族たち。しかし、それぞれが失われた時を埋めるように、一緒に過ごせる時間を喜んでいました。

 川田は調査の傍ら、学生時代の親友・俊介の婚約者だった葵と再会します。俊介は数年前に事故死しており、葵はその傷を癒せぬままでした。死者が帰ってくる“黄泉がえり”を知った葵は、俊介が自分のもとに現われるのではないかと川田に訴えます。葵のことを想う川田は、俊介のことは早く忘れるべきだと説得しようとしますが、きっと帰ってくると信じる葵の気持ちは頑なでした。

 調査を続けていくうちに、川田は“黄泉がえり”の法則を発見しました。葵のために、俊介を甦らせることを決意した川田。“黄泉がえり”には期限があることを知り、奇跡を祈ります。その時、葵もまた自分の運命に気付いてしまうのです。

「どこにいるの?」

 すぐに川田の携帯に電話をかけた葵。

「見つかったんだ!」

 俊介を甦らせるために必要なあるものを探して、駆け回っていた川田。それを持って葵のもとへ一刻も早く帰ろうとします。しかしその途中、自分の携帯電話をどこかでなくしてしまいます。携帯がなければ、葵と連絡が取れない!

「あの、携帯お持ちですか?」

 見ず知らずの相手に向かって、携帯電話を貸してくれるよう必死に頼む川田。

「明日、必ず返します!」

 川田の気迫に押され、思わず自分の携帯を渡してしまった人は呆然。借りた携帯電話から、川田と葵は、俊介が好きだった歌手RUIの復活コンサートの会場で落ち合うことを決めたのでした。人込みの中で、携帯を握り締めて、川田からの連絡を待つ葵。川田はコンサート会場へ急ぎますが、ライブ客の渋滞に巻き込まれ、進めなくなってしまいます。刻一刻とせまる“黄泉がえり”のタイムリミットを前に、葵と川田をつないだのは携帯電話でした。

「もしもし、どこにいるの?」

「もうすぐ着く。そこで待ってろ」

 川田の尽力が実って、俊介は葵の前に現われるのでしょうか。“黄泉がえり”の終わりには、せつないけれど暖かいものが残るのです。

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[本田亜友子, ITmedia]

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