Mobile:NEWS 2003年4月25日 08:39 PM 更新

“授業のレポートは携帯”〜禁止から積極活用に

授業中に携帯電話を使うなんてとんでもない? いやいや、最先端の情報通信機能である携帯のWebやメール機能を使って、授業に活用している大学がある

 「日常生活でも授業でも携帯を使ってほしい」。学生が授業中に携帯電話を使うことを問題として、禁止する学校が多い中、積極的に携帯利用を奨励し、授業に活用している学校の授業がある。

 広島国際大学人間環境学部の田村博氏は、大阪大学で開催されたシンポジウム「ケータイ・カーナビの利用性と人間工学」で授業での携帯利用の実例を紹介し、「(携帯電話は)大学でもいろいろな使い方ができる。禁止用品ではない」と話した。

メモや日記はケータイでできる時代に〜パソコン世代とケータイ世代のギャップ

 「今の大学生は、ケータイのメールアドレスを交換することから学生生活が始まる。今はそういう時代ではないか」と田村氏は話す。携帯は授業中に禁止するものではなく、活用するものだというのが認識だ。

 “とにかく携帯は禁止”という風潮が出てきた背景には、「パソコンと携帯が争っている」影響がありそうだ。田村氏は、当初のコンピュータを使うだけの情報教育や、現在行われているITマナー中心の教育を批判し、「本当に必要なのはコミュニケーションだ」と話す。

 「日常のメモや日記はケータイで十分。しかし“IT=キーボード”のパソコン世代は、それを認めない。禁止する。そこにギャップがある」(田村氏)。

 パソコン世代とケータイ世代のギャップを示す、面白いエピソードも紹介された。高校生の就職講座で商工会議所会頭に講演してもらったところ「携帯電話(のメール)で確実に受注、発注を処理できないものはいらない」と断言されたというのだ。

 当の高校生にとっては当たり前のことと映ったこの発言も、先生方にとっては予想に余るものだったと田村氏。先生方は「(携帯電話の利用は)マナーが悪い、ということで優位を保っていた」。しかし、実際の社会のほうが携帯電話を使いこなす人材を求めていたことになる。

手書きよりも高速に携帯で文字を書く大学生

 田村氏は、携帯とパソコン、手書きのそれぞれについて文章の入力速度も計測した。大学2年生200名を被験者に、ローマ字文を下書きし、携帯電話に入力したりパソコンに入力したりしてそれぞれの速度を計測した。

 結果、パソコンでの入力は平均16.6分(標準偏差6.3)だったが、携帯電話では平均23.6分(標準偏差7.7)。さすがにパソコンのほうが入力速度は速いが、手書きと比較すると「手書きの清書よりもケータイのほうが速い人がこれだけいる」(田村氏)という結果になった。


手書きとケータイ入力、手書きとパソコン入力の速度の比較。手書きより速い速度でパソコン入力できる人は多いが、ケータイでも手書きより速く入力できる人が現れ始めている

入学試験はケータイで受けるように?

 田村氏の授業では、そこかしこで携帯電話を活用する。「できる限りケータイでレポートを書いてもらったりしてきた」。

 独特の事例として、突然の全校休講の連絡に携帯電話を使ったことも説明された。パソコン向けのEメールで案内を行ったがうまく伝わらず、田村氏の学生には携帯メールで連絡したところ、学生から感謝の返信まで届いたという。「普段使われていないメディアでは、緊急連絡は役に立たない。これからの大学には(携帯電話のメールを使った連絡網が)絶対必要」。

 さらに授業の出欠確認を携帯電話で行うことで、出席表の整理なども必要なくなる。メールを使って、単にいるかいないかだけでなく、簡単な質問に答えさせるようにすれば授業のフィードバックとしても活用できるのだという。

 単に禁止するのではなく、情報通信の主役である携帯電話を授業にどう活用するのか。田村氏は「いずれは、入学試験はケータイで受ける、そうなるのではないか」と考えている。



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[斎藤健二, ITmedia]

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