Mobile:NEWS 2003年6月10日 00:12 AM 更新

ケータイカメラ画質研究ラボ
最もデジタルカメラに近い「SO505i」(2/2)


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室内撮影はどうか

 続いて室内である。蛍光灯の下で小物を撮影してみた。EXILIMに比べてCCDが小さくて絞り値が大きい(S1はF2.5でSO505iは4.0)ため、SO505iの方がピントの合う範囲が広い、すなわち近いものもピンボケせずに撮れる。

EXILIM/SO505i クリックで元画像

 この例では被写体との距離が5〜60センチとEXILIMにとっては近すぎるのでピントがぼけている。しかしSO505iではそんなこともなくしっかり写っている。

 かなり蛍光灯による色かぶりを起こして全体が緑がかってしまったのは残念なところだが、これはホワイトバランスを手動で「蛍光灯」にセットしてやれば問題ない。ディテールもややエッジ強調しすぎる感はあるが、これだけ出ていればさすがメガピクセルといっていい。


蛍光灯にセットして撮影

 続いて白熱灯下での撮影。

SO505i白熱灯下でオート/ホワイトバランスを白熱灯にセット クリックで元画像

 左がオートで撮ったもの、右はホワイトバランスを白熱灯にして撮ったものだ。いずれにせよかなり優秀な写り。カメラから2〜30センチの距離にある黄色いビンはややぼけているが、50センチくらいの距離にあるものはしっかりくっきりと写っており、色のバランスもいい。全体にややノイジーなざらつきが感じられるが、ISO感度を高めに設定している分(ISO170からスタートし、暗いところでは自動的に増感されるタイプのようで)仕方ないだろう。実用性は十分である。

 さらに暗くしてろうそくの光だけで撮ってみた(画面左)。これもなかなかすごい。

SO505iろうそくの光のみで撮影/撮影補助用ライト点灯で撮影 クリックで元画像

 かなり無理に増感した分、全体に細かいノイズが浮いているが、これだけしっかりと写れば問題ないだろう。ノイズの出方もデジカメとしては不自然じゃないし、質感も保っている。

 補助光を点灯させた場合は右の画面のようになる。

 あまり明るいライトではないので中央部がぼーっと明るくなるだけであるが、近距離撮影では効果を発揮しそうだ。

デジカメをかなり意識した撮影機能

 SO505iがデジカメ&ケータイを標榜するだけあって、デジカメとしての機能もなかなかしっかりしている。

 ジョグシャトル周りの簡単な操作でホワイトバランスの変更やデジタルズームを行えるし、スポット測光や露出補正機能もある。これはなかなかだ。下手したら同社のプチデジカメ「サイバーショット U」よりしっかりしているくらい。

 これらの操作はジョグダイヤルと左右のキー(もっとも「ヨコ撮り」するときは左右ではなく上下になるわけだが)だけで行えるので操作もさほどややこしくない。

 撮影した画像はメモリースティックDuoに「DCF」という形式で記録される。デジカメの標準ファイル形式だ。「DCF」には各カメラで撮った画像に撮影情報を入れておくという約束事がある。この約束事をExifというのだが、これに準拠しているとカメラ名や撮影日時などが記録されるので、後で写真をチェックするとき便利なのだ。

 ほかにもExifにはシャッタースピードや絞り値、ISO感度、ホワイトバランスなども記録できる。これらはオプション扱いになっており、カメラ付きケータイでは採用していないものがほとんどである。だがSO505iはそこにも準拠しており、各画像を調べるとシャッタースピードや絞り値、ISO感度、ホワイトバランスがどうであるかが分かるようになっている。この情報が役立つかどうかは人それぞれだが、そこまでデジカメを意識した設計になっていると思えばよい。

 また、プリント予約機能もある。撮った写真を店頭などですぐプリントしたい人はあらかじめこれで印刷したい写真にチェックしておけばいいのだ。これもデジカメ的機能である。

 なお、静止画以外にVGAサイズの画像を4枚連写する機能や動画機能もある。動画はMPEG-4を使ったASF形式のファイル。最新のFOMAで採用している3GPP準拠ではないのが残念だが、Windows XPのWindows Media Playerでの再生は可能だった。

最もデジカメに近い〜SO505i

 SO505iは屋外でも屋内でも安定した画質を示し、メガピクセル級ケータイの中では最もデジカメとして使える端末だ。デジカメ専用機に比べると大きくて重いし(液晶モニタは大きいものの、同社の単焦点AF付デジカメサイバーショット Uシリーズより大きくて重いのだ)、ホワイトバランスの不安定さやディテールの甘さは目につく。

 それでもこのレベルであればデジカメと呼んで差し支えないだろう。さすがである。あとはマクロモードで近接撮影ができるようになり、再生が高速になればいい感じである。

 また今の段階では画像を再生するとき、横位置と縦位置の2種類が用意されているが、横位置時の機能が限られている。これは非常に残念な点。デジカメ時は横位置で撮るのが基本なのだから、再生機能も横位置での再生も重視してほしいところだ。

 もう1つはレンズカバー。レンズカバーがしっかり付いているのはいいが、カメラスイッチとの連動が全くなく、レンズカバーを閉じたまま撮影できてしまう。そうなると真っ黒の写真が1枚撮れるわけで、あまり楽しいことじゃない。警告を出すなりレンズカバーを閉じたままカメラモードで起動すると再生モードで起動するなりの小技がほしかったところだ。

 いわゆる「カメラ付ケータイ」では不満があり、それなりにしっかりしたデジカメが欲しいけど携帯電話と両方持って行くのはいやだという人ならこれを選ぶべきだろう。



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[荻窪圭, ITmedia]

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