輻輳【ふくそう】災害が起こった場合やイベント会場で、携帯電話がつながりにくくなることがある。これは“輻輳が原因”と説明されるが、輻輳とはいったい何だろうか
輻輳とは、方々からいろいろな物が1か所に集まることや、混み合うことを指す言葉。通信業界では、大勢の人が同時に回線を利用するなどでトラフィックが増え、ネットワークが混雑して渋滞してしまうことを意味する。チケット予約の際に電話がかかりにくくなる現象は、まさにこの輻輳が起きている状態だ。 輻輳が起きてしまうと、情報の流れが遅くなるばかりか、新たな利用者がネットワークに参加することすらできなくなる。例えば通話用の電話回線がすべて埋まってしまうと、事件や事故があった際に警察や消防などの緊急電話をかけることもできなくなる。そのため、電話会社はそうした事態に陥らないよう輻輳の制御を行う。 年末年始やコンサート会場近く、花火大会などのイベントで、携帯電話がかかりにくくなるのもこの輻輳が影響している。もともと混み合っているところに、緊急用の回線を確保するため、さらにつながりにくくなるという状態だ。ちなみに携帯電話の場合、基本的に発信のみに規制をかけて、着信はそのままできるようにすることが多い。これは「周辺が混雑している」という事情が、わかっているか否かの違いによるもの。 輻輳が起きるきっかけにはいろいろなものがあるが、電話の場合は特に、大地震の発生など、現地の事情を確かめようとして集中することが多い。災害であれば被災地の通信設備にダメージがあると利用できる回線が少なくなり、ますます電話がつながりにくくなる。災害でかかりにくいのか、輻輳でかかりにくいのかか、テレビやラジオなどの報道を中心にして、落ち着いた対応をするべきだろう。 ちなみに輻輳はLANなどでも日常的に起きている。トラヒックが多くなるとエラーが増え、データの再送によってますます遅延が発生するという、電話の場合とよく似た話になってくる。交換機や中継ルータにかかる負荷をどのように分散するか、設計者や技術者たちの腕の見せどころだろう。 関連リンク NTT東日本 電話網のふくそうについて NTT西日本 電話網の輻輳について [江戸川, ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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