Mobile:NEWS 2003年7月10日 10:27 PM 更新

Bluetooth 1.2は「縁の下の力持ち」的な機能強化

9月にも最初の製品が出ると見込まれるBluetooth 1.2。強化されたのは、ユーザーが意識することの少ない部分で、これによって新しい使い方が提案される性格のものではない。

 この3月に仕様のプロトタイプが決まり、9月にも正式策定される見通しのBluetooth 1.2。機能強化のポイントや位置づけ、今後の見通しをBluetooth SIGマーケティングディレクターのアンダース・エドランド氏に聞いた。


Bluetoothヘッドセットを装着したBluetooth SIGマーケティングディレクター、アンダース・エドランド氏

Bluetooth 1.2の強化点は目に見えない部分

 Bluetooth 1.2で変わったのはBluetoothコアのデータリンク層。7月9日に説明された、AFH(Adaptive Frequency Hopping)による干渉の低減や、音声・データ通信の品質向上、セキュリティの向上などの強化点は、この部分の変更だ(7月9日の記事参照)。9月にも最初の製品が登場するといわれるBluetooth 1.2対応のデバイスは、Bluetooth 1.2コアに必要なプロファイルを組み合わせて設計された製品ということになる。

 Bluetooth 1.2での機能強化は、デバイスやインフラの今後の進化に対応させるためのマイナーバージョンアップともいえる位置付けのようで「1.2になったから新しい使い方を提案できるようなアプリが出てくるわけではない」。

 例えば今回強化された機能のAFH(Adaptive Frequency Hopping)。これは今後コードレスフォンや無線LANなど、無線機器の利用が増えてきた時に起こりうる干渉を避けるため、今の時点で入れた機能だという。

 セキュリティ機能は、Bluetooth 1.1で備えている128ビットセキュリティだけでは補えないプライバシー情報の保護に対応するもの。「Bluetoothには、誰かが周囲のBluetooth機器をスキャンしてデータを送信できてしまう接続性がある。アトランダムにスキャンされたときに機器のアドレスや名前を見せないことでプライバシーを守る使い方を想定」して、匿名モードやエイリアス認証の機能が追加されたものだ。

プロファイルは車載やオーディオ系の策定が進む

 一方で、ユーザーの利用にかかわる部分となるプロファイルについては、車載系やオーディオ系のものを中心に策定が進んでいるという。ここ数カ月の間にも、車内のオーディオやスピーカー、カーナビゲーション用ディスプレイとの連携を想定した「自動車のハンズフリープロファイル」、ワイヤレスヘッドセットでオーディオを楽しむといった利用を提案できる「オーディオプロファイル」などが策定されたという。

 「車内のハンズフリープロファイルは、携帯電話の会話を車のスピーカーから流したり、車にマイクを組み込んだりすることが考えられる。オーディオプロファイルは、リビングに置いたBluetoosh対応のミュージックプレイヤーからワイヤレスで音を飛ばすなど、ホームエンタテインメント用途で使える」。

ビジネス用途からコンシューマー用途へ

 Bluetoothが比較的普及している欧州や米国での主な用途は、「携帯電話でワイヤレスインターネット通信をする際のモデムとしての利用や、携帯電話とPCとのデータ同期などビジネス向けの性格が強かった」。

 今後搭載が期待される機器としてエドランド氏が挙げるのは、モバイルゲーム機器やイメージングの分野。データをプリントしたりテレビに映したりといったニーズが増えると見ている。

 そうした意味では端末機能が向上し、リッチなコンテンツが増えてくる第3世代携帯電話での利用も期待できるとエドランド氏。伝送速度が上がる3Gでは端末内に蓄積されるコンテンツも高品質なものになるといい、そうしたコンテンツをワイヤレスでホームエンタテインメントシステムとやり取りする方向に向かう可能性があると予測する。

 ただしそうした利用を促進するためには、Bluetooth自体の高速化も求められてくる。無線テクノロジーの中で求められる、速度/消費電力/伝達範囲/コストの4つの要素の中で、Bluetooth SIGが今、重要視しているのは「コストと消費電力」だ。

 次期バージョンでは、携帯電話の内蔵メモリや扱うデータが増えていることから「長期的な見通しでは、より広い帯域を使ってデータ送信できるようにしなければならないことは認識している」とエドランド氏。その時期やどのような方法にするのかは、ワーキンググループ内で検討中でまだ決まっていないという。



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[後藤祥子, ITmedia]

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