Mobile&Movie 第71回
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作品名 | トーク・トゥ・ハー(HABLE CON ELLA) |
監督 | ペドロ・アルモドバル |
制作年・製作国 | 2002年スペイン作品 |
ジャーナリストのマルコ、看護士のベニグノ、バレリーナのアリシア、そして女闘牛士のリディア。この男女四人の出会いが、献身的な愛の物語を織りなす「トーク・トゥ・ハー」。マルコの携帯電話に残された留守電のメッセージが、悲しくも美しい奇蹟を起こします。
マルコは偶然知った女闘牛士リディアの存在に興味を持ち、記事にするため取材を申し込みました。当初リディアはマルコを警戒していましたが、マルコの人柄に触れ、除々に心を許し自分のことを話すようになります。同じようにマルコもリディアの闘牛士という強さの裏側にある女らしさを知るにつれ、惹かれていきました。
そんなある日、リディアが闘牛の試合で大怪我をし、意識不明のまま病院に運ばれます。目の前で起こった惨事にうろたえるマルコ。そして、そのままリディアは目を覚まさず、昏睡状態に陥ってしまったのです。病室で眠るリディアの顔を見つめ、マルコはただ涙を流すばかりでした。
やがて、マルコは同じ病院にリディアのような昏睡状態の女性がいることを知ります。ただ様子が違うのは、彼女に熱心に話し掛ける看護士がいること。マルコは看護士ベニグノの口から、彼女がアリシアという名のバレリーナであることを聞きます。そして、アリシアのために舞台や映画を見てはベニグノが感想を伝えていることも。「眠っているアリシアに分かるはずもない」とマルコは呆れますが、ベニグノの想いは強く、やがてマルコもベニグノの影響を受けるようになっていきます。
毎日のように顔を合わせるうち、マルコとベニグノの間にはいつしか友情が芽生え、おたがいの境遇について語り合うようになります。マルコは反応のないリディアを受け入れられず、どうしても触れられない。ベニグノは伝えたかった言葉すべてを込めて、アリシアに触れ続けている。
そうしてマルコはリディアに触れることのないまま、耐え切れずリディアの前から立ち去る決意をします。ベニグノに別れを告げた後、事件は起こりました。
「今、どこにいるんだ?」
数カ月後、マルコの携帯電話にベニグノから連絡がありました。
「クリニックの外にいる」
「アリシアの様子が知りたい」
その事件をきっかけに、ベニグノはアリシアから引き離されてしまったのです。
「何とか調べる。土曜に会おう」
こうして、思いがけない場所でマルコとベニグノは再会することになります。ベニグノの孤独を思い、心を揺さぶられるマルコ。できるだけ、ベニグノの願いを叶えようと固く誓います。そして翌朝、ベニグノが残した携帯電話のメッセージに気付きます。
「今日、会えてよかった」
留守電ではなく電話を取って話していたら、もっと早くこのメッセージに気付いていたら……。マルコは、ベニグノの愛の深さと同じくらいの空虚さを噛みしめ、また涙を流すのでした。そして運命に導かれるように、マルコはベニグノが残した奇蹟に立ち会うことになるのです。
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