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2003年7月23日 10:44 PM 更新
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話題のモバイルビジネス その後
携帯電話とロッピーの連動はプリクラを超えるか
その昔女子高生が火付け役となったプリクラ端末は、開発企業のアトラスを店頭公開するまでの成功に導いた。そんなキオスク端末を舞台に、携帯電話を連動したサービスを展開しようと各企業がこぞって動き出している。
2002年12月、アイ・コンビニエンスが2万5000人を対象に行った調査によれば、「携帯電話と連携したプリントコンテンツで欲しいもの」の1位に上がったのが、ケータイカメラのプリントサービスだ。
携帯カメラで撮った写真にオリジナルフレームを提供
ジグノシステムでは、2002年11月末からiモード対応のカメラ付携帯電話向けプリントサービス「わくわくiプリント」を提供している。撮った写真に好みのフレームを合成後、ローソンのキオスク端末「Loppi」でプリントアウトできるというものだ。
わくわくiプリントのサービス概念図
ユーザーはiモード公式サイト内の「わくわくiプリント」で、撮影した画像を様々なフレームと組み合わせ、合成結果を見てから携帯電話で注文する。その後ローソンのLoppiで、メールで送信された注文受け付け番号を入力すれば、プリントアウトされた写真を受け取れるというものだ。
「注文の多い月はクリスマスなどのイベント時期で、約3000件。注文の少ない月で、約1000件ぐらいです。やはり、イベントの時期はお客様の御利用度は高くなります」と、企画営業部の宇根美紀マネージャーは話す。
料金はフレームによって違うが、A4サイズでカラー1枚180円から。フレームは、イベント時期に合わせたものからキャラクターものまであり、トータル30〜40フレームある。料金の精算はレジで行うが、携帯電話で注文してから、ロッピーにて最終的に精算まで行うユーザーは平均8割くらいだ。
ヘビーユーザーは子供のいる若い主婦とペットを持つユーザー
「わくわくiプリント」利用のユーザー層は、当初予想していた女子高生と違い、小さい子供がいる若い母親と、ペットを持つユーザーが圧倒的に多い。
ジグノシステムで取ったアンケートによれば、クリスマスなどに地方の祖父母に贈るケースや、子供やペットの写真を撮ったカレンダーフレームでの利用に人気がある。ユーザーに人気のフレームタイプも毎月のイベントに合わせたシーズンものだという。
また、プリントアウトされる用紙や形式などにも工夫を凝らしている。例えば、時間割表やカレンダーなどは組み立て式にしたり、旅行や飲み会の写真のフレームの場合はアルバム形式などにして提供しており、利用ユーザーも着々と浸透してきている。
継続的利用と携帯電話の操作性を生かした新たなフレーム
サービスから半年。7000店舗あるローソンとの連携も整い、ユーザーニーズも把握できたジグノシステムは今後、独自のメニューも検討中だ。
「オリジナル商品として、日記タイプのフレームでは写真とコメントを作成しながら、作成途中にはホルダーに入れて継続的に使えるようにしたもの。料理レシピのように毎日あると便利なコンテンツなどを取り入れたフレームなど、ユーザーが必然性を感じるフレームの使い方を検討しています」(宇根マネージャー)
そしてフレーム数や形式の増加だけでなく、操作性にも着目し、ユーザーが手軽に使えるよう、アプリの利用や端末にあったサービスも進めていく考えだ。
過去、人気を博したプリクラサービスのような急激な伸びはまだ見えないものの、携帯電話とプリントサービスというバーチャルとリアルの場を連動したサービスにより、「わくわくiプリント」だから行える「写真とフレーム」の新サービスの可能性は十分期待できるだろう。
著者プロフィール沢
里映:フジサンケイグループ日本工業新聞にて、ITベンチャー社長取材による企業の様々なITビジネスモデルを連載。他、小学館「DIME」、リクルート「アントレ」他でコンシューマ向けITサービスなどの記事も執筆
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[沢 里映, ITmedia]
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