flash-OFDMとはなにか近年OFDM技術を使った無線通信方式が多数登場している。マルチパスに強く周波数利用効率が高いOFDMは、IEEE802.11aやETC、デジタル地上波放送などで採用されている。さらにNTTドコモが第4世代携帯電話の通信方式として、CDMAとOFDMを組み合わせたOFCDMAを提案するなど(2002年3月の記事参照)、次世代の通信方式として脚光を浴びている。 ただし携帯電話で使うセルラー環境では、隣接するセルで同一周波数を利用する仕組みが必要だ。flash-OFDMはFlarionが開発した、そのための手法である。 flash-OFDMでは1.25MHzの周波数幅に113本のサブキャリア(FlarionではToneと呼ぶ)を配置し、それぞれの周波数を直交させる。ここまでは通常のOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex:直交周波数分割多重)の手法である。 異なるのは、利用するサブキャリアを「秒間100万回」(Flarion)という高速度で変化させることだ。これは、Bluetoothなどでも使われている周波数ホッピング(Frequency Hopping、用語)という多重化の手法に当たる。これによって隣接セルでも同一周波数を利用できるほか、周波数効率を上げている。 Flarionでは、この高速なホッピングを指して「速い動きを表すイメージ」としてflash(閃光)という名前を使っているという。
A、B、C、D、EのそれぞれがOFDMのサブキャリアを示す。flash-OFDMでは、通信時に使うキャリアを高速に変えることで多重化を行う(図:米FrarionのWebより)
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