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2003年8月22日　09:08 PM 更新

Mobile&Movie 第76回
藍色夏恋「今度水泳の試合があるんだ。来てほしい」

映画の中の名脇役として登場する“モバイル製品”を紹介する「Mobile&Movie」。今回は高校生の切ない三角関係を描く台湾映画「藍色夏恋」。台湾の高校生も携帯が手放せないようですが、告白は手書きのラブレターと古風なところも。

作品名	藍色夏恋（藍色大門）
監督	イー・ツーイェン
制作年・製作国	2002年台湾・フランス合作

　今回ご紹介するのは、台湾の甘酸っぱい青春映画「藍色夏恋」。台湾は携帯電話普及率100％の携帯大国。台湾の高校生活でも携帯電話は欠かせないようです。主人公のモン・クーロウも、その親友リン・ユエチェンも日本の女子高生と同じように携帯を使っていますが、愛の告白はメールではなく手書きのラブレターでした。

　女子高生のモンとリンは親友同士、同じクラスで毎日仲良く過ごしていました。ある日、モンはリンに片想いを打ち明けられます。その相手は学校で一番目立つチャン・シーハオ。内気なリンは、話しかけることもできずににチャンの姿を遠くから見つめているだけ。リンはつのる想いに耐え切れず、モンの携帯に電話をかけます。

「もしもし、何の用」

　そっけないモン。

「こんな遅くにどこへ？」

　リンはモンを誘い出します。

「今、信号待ちしてるの」

　携帯で話しながら、夜の交差点で落ち合う二人。リンはモンを秘密の場所へ連れて行きます。そこは真っ暗な真夜中のプール。チャンは毎晩水泳の練習をしていたのでした。自分からは何も言い出せないリンは、モンに彼女がいるか聞いてほしいと頼みます。いやいやながらも親友の頼みとあって、大声で叫ぶモン。

「チャン・シーハオ！ 付き合っている子はいるの？」

　驚いたチャンでしたが、姿を現したモンを見て

「本当は友達じゃなくて、お前が付き合いたいんじゃないのか？」 　と、からかいます。こうして奇妙な形で出会ったモンとチャン。チャンが

「さそり座。O型。水泳部とギタークラブに所属」

　と、自己紹介をしても、モンはしらんぷりで足早に立ち去ってしまいます。そんな不思議なモンにチャンは興味を持ち始めます。

　せっかく、モンがリンのためにチャンに声をかけたのに、リンは恥ずかしくなって姿を消していました。リンの想いは膨らみすぎて、どうしようもなくなっていたのです。

　リンにできることは、チャンが使ったゴーグル、ボールペン、飲み終わったペットボトルなどを集めることだけ。そんなリンをモンはいじらしく思います。

　リンの気持ちも知らず、チャンは学校で会ったモンに話しかけてきます。

「本当は友達なんていないんだろう？」

「友達はいるわ」

　素っ気なく、普通の女の子とは違うモンの態度に、チャンは惹かれていってしまいます。学校帰りの道でモンの自転車に追いついてくるチャン、負けまいとスピードを出すモン、そんな競争をしている時間はモンにとっても楽しいものでした。

　しかし、チャンは親友リンの片想いの相手。揺れ動く気持ちを抑えるように、チャンに冷たくしてしまいます。リンとの友情も不安定になり、苛立っている時、チャンから携帯に電話がかかってきます。

「俺だよ」

いつものふざけた口調とは違う誠実なチャンの声。

「たいした用じゃないけど……」

慎重に言葉を選び

「今度水泳の試合があるんだ。来てほしい」

　と、モンに告げます。チャンが本当に言いたかったのは別のこと。でも、これがチャンのせいいっぱいの言葉だったのです。胸の奥に秘めたモンの想いは、かき乱されます。せつない三角関係の行方はどうなるのでしょうか。

　台湾では日本の文化はとてもポピュラー。iモードサービスも運用されており、サンリオやバンダイなどのiモードサイトが人気を集めているそう。この映画の中でも、日本の人気スターの名前が登場する場面があるので、要チェックです。

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