Mobile&Movie 第80回
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作品名 | シェフと素顔と、おいしい時間(DECALAGE HORAIRE) |
監督 | ダニエル・トンプソン |
制作年・製作国 | 2002年フランス作品 |
パリのシャルル・ド・ゴール空港で出会った男と女。交通機関のストライキと悪天候、そしてコンピュータのトラブルが重なり、空港で足止めをくらった二人は、携帯電話の貸し借りがきっかけで言葉を交わします。
書き置きの手紙を残し、恋人セルジオから逃げてきたローズ。メキシコで人生の再出発をするため、何もかもを捨て空港にやって来たのですが、あいにく飛行機の離陸はいつになるかわからない状態。がっくりと気を落とし、「もしかしてこれは恋人と別れずにフランスに残りなさいという啓示なのかも」と、家族に携帯で連絡します。
「セルジオへと書いてある手紙を始末して!」
現在の状況を話しながら、ローズはセルジオに別れの手紙が読まれる前にと、妹に急いで頼みます。しかし慌て過ぎたせいで、封筒の置き場所を説明しているうちに、誤って携帯をトイレに落としてしまいました。ローズの真っ青な携帯電話はあっという間に流され、配水管に吸い込まれて消えたのです。ローズは唖然……。
公衆電話を使おうにも、パニック状態の空港内では長蛇の列。そこへ、通りかかった男に頼みます。
「携帯を貸してくださる?」
フェリックスは、忙しい仕事の合間を縫って、元恋人がいるドイツへ向かおうとしていました。別れの事実を受け止められず、会えばわかりあえると期待して。しかし飛行機が途中で不時着してしまい、苛立ちを隠せません。会社の部下に指示を与える電話をした後で、ローズに話しかけられました。
「パリ市内にかけたいの。私のは失くしてしまって」
ローズに携帯電話を渡すと
「彼とは別れるって書いたの。ええ。飛行機は飛ばないの」
フェリックスの携帯電話にも関わらず、長々と話し続けるローズに呆れてしまいます。
「ありがとう」
ローズから携帯を受け取り、ほっとしたのもつかの間、フェリックスの携帯にローズ宛ての電話がかかってきてしまいます。もともと神経質なフェリックスは、ローズの図々しさと厚化粧にうんざり。ローズとは関わりたくないと、足早に立ち去ろうとしますが、突然倒れてしまいます。
気付けばローズとまだ一緒にいたフェリックス。介抱してもらったことを感謝しますが、まだローズに対して好感は抱けないまま。それというのも、ローズのキツイ香水のせい。シェフであるフェリックスは人一倍香りに敏感で、クラクラするほどの匂いを振りまくローズが信じられないのです。
「私は匂いが好き。新聞も煙草も人生の香りよ」
そんなローズの言葉を聞いて、フェリックスは少しだけ自分の頑固さを反省します。運行再開のメドが立たないまま夜を迎えて、フェリックスはローズに御礼もかねて自分の料理を振舞うことにします。
しかし、そこでも気難しい性格が出てしまい、マナーや食べ方について、ついついローズを非難してしまうフェリックス。優柔不断でお喋りなメイクアップアーティストのローズと、偏屈で寡黙なシェフのフェリックスは、わかりあえないまま、一夜かぎりで別れてしまうのでしょうか?
出会いからラストシーンまで、携帯電話によって愛が育まれていくこの作品。大人のエスプリ漂う、おしゃれな恋愛映画です。
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