インデックス売上倍増――「タカラには役員の半数を送り込む」
インデックスの決算が好調だ。2005年中間期は増収増益を達成。先日買収を発表したタカラに役員を派遣し、事業の相乗効果を図ることなどが示された。
インデックスの決算が好調だ。2005年中間期の売上高は、前年同期比約2.5倍の345億6700万円。中間での純利益は当初見込みの2.3倍となる34億5700万円を計上し、増収増益を達成している。
4月28日の決算説明会では、同社がさらに事業を拡大すること、また先日買収を発表したタカラ(4月25日の記事参照)に役員を派遣し、事業の相乗効果を図ることなどが示された。
好調を背景に新規事業へ
同社の収益の柱となるのは、やはりモバイル向けなどのコンテンツ事業だ。同事業部の売上高は184億円で、22億円の営業利益を生み出している。同社は海外展開にも積極的で(4月18日の記事参照)米国、欧州、中国の各市場に進出しているが、最近では海外部門も業績に寄与するようになったという。
コンテンツ以外でも、ソリューション事業は約18億円の営業利益を生み出している。コマース事業、出版事業もそれぞれ営業損益ベースで黒字を達成した。
好調を背景に、今後は新事業にも積極的に取り組む予定。一例として、会場では「音楽配信」の準備を進めていることが明かされた。モバイル端末やPCを対象に楽曲を配信するもので「従来のようにレコード会社と契約してサービス提供するのでなく、アーティストなどライツホルダーと組んで配信を行う」(インデックス)。ネット配信を手軽な作品発表の場、プロモーションの場と位置づけ、新人発掘などを狙いとするようだ。
筆頭株主となったタカラとは、どのように連携するのかも気になるところ。実際、会場ではこの点に質問が集中した。
インデックス会長の落合正美氏は、タカラという老舗玩具メーカーの再生へ向け、経営面で積極的に介入する姿勢を見せる。「タカラの役員は、半分は我々から送り込む」
落合氏は、「タカラの経営には、ミスもあったのではないかと思う」とはっきり指摘する。
「電気自動車とか、家電とかいった事業に投資するうち、本業が希薄化した」。とはいえ、タカラにはチョロQやリカちゃん人形といった多くの優良コンテンツがある。「極端なことをいえば(全く新しい)ヒット商品がなくとも、本業回帰でいい」というのが落合氏の見方だ。
その上で、今後IT分野にノウハウのあるインデックスとの相乗効果を期待するという。「第3の戦略パートナーも加え、大きな構想をまとめている」(同氏)
会場で詳細は語られなかったが、タカラと組むことでインデックスは“世界市場に向けて”事業を飛躍させるのだと、強気のコメントが多く聞かれた。
関連記事
- インデックスがタカラ筆頭株主に
コナミ保有分のタカラ株式はインデックスが取得し、筆頭株主に。「バウリンガル」などでインデックスとタカラは提携関係にあった。 - インデックス、タカラのコンテンツをモバイル配信へ
インデックスは、資本参加したタカラとの業務提携を強化する。コンテンツ配信やECなどに、タカラの資産を生かす。 - SMSで流通する携帯コンテンツ
日本では、携帯コンテンツといえば「キャリアのメニューからたどるもの」という印象が強い。しかし海外では、携帯コンテンツといえばSMSを通じて流通することが多い。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.