3Gも視野に“ケータイカスタマイズ”に本腰──シャープ
テクスチャーパネルとカスタムスクリーンで、“中も外も”カスタマイズできる「V501SH」。シャープは各種アイテムを提供するサイト「カスタモ」を立ち上げ、カスタマイズ戦略に本腰を入れる。
ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ(6月13日の記事参照)やパナソニック モバイルコミュニケーションズ(2004年11月の記事参照)、NEC(5月31日の記事参照)、東芝(6月9日の記事参照)など携帯メーカー各社が携帯カスタマイズ戦略でしのぎを削る中、シャープもカスタマイズ戦略に本腰を入れる。
シャープは7月1日、テクスチャーパネルとカスタムスクリーンで“中も外も”カスタマイズできる「V501SH」(6月9日の記事参照)について、カスタマイズアイテムの販売サイト「カスタモ」をオープンさせた。新アイテムを定期的に投入し、さまざまなユーザーニーズに対応していく考えだ。
V501SHは、ガラスや革、石などの素材感を表現した取り替えパネルの「テクスチャーパネル」と、パネルのイメージに合わせて待受画面やメニューアイコン、背景パターンや発着信時のグラフィックをトータルコーディネートできる「カスタムスクリーン」の2つの方法で、端末をカスタマイズできるのが特徴。カスタモでは、新たなキャラクター入りの「キャラクターパネル」やそれに合わせたカスタムスクリーンのセットを販売することで、ユーザーが多彩なカスタマイズを楽しむ手段を提供する。
PCからも携帯からも新アイテムを入手可能に
「外側だけの着せ替えではなく、画面の中身もカスタマイズできるようにしよう」──こうした考え方に基づいて「V501SH」の開発が始まったと、シャープの通信システム事業本部商品企画部の山本信介部長は話す。
待ち受け画面や着信音、メニュー画面、アンテナマークなど、細かい部分まで統一されたイメージ一色にカスタマイズできるカスタムスクリーンは、従来のシャープ製PDC端末に搭載された「Disneyスタイル」がベースになったという。「単に壁紙だけを変えるのではなく、メールの発着新画面や着信音に至るまでディズニー一色にできる機能を搭載した実績があり、その仕組みを発展させた」
V501SHに付属するminiSDカードには、端末内をテクスチャーパネルと同じイメージにできるカスタムスクリーン14種のほか、ディズニーや機動戦士ガンダム、北斗の拳、ハローキティ、クレヨンしんちゃんなど、端末をキャラクター一色にできるカスタムスクリーン7種類が入っている。
キャラクターものを利用するには利用料金が必要。携帯電話を通じて「コンテンツキー」を購入すると使えるようになる仕組みだ。
「カスタムスクリーンは、それぞれのキャラクターホルダーに制作してもらい、利用料金をレベニューシェアしながらビジネスを展開する。版権もののコンテンツ料金はおおむね500円程度」
さらにさまざまなキャラクターホルダーとカスタムスクリーン製作で連携できるよう準備を進めており、新しいカスタムスクリーンは「カスタモ」を通じて販売する計画だ。「ユーザーは、好みのカスタムスクリーンをカスタモからダウンロードしてminiSDに入れる。あとは携帯を通じてコンテンツキーを購入すればそれが使えるようになる」
また、PCを通じたコンテンツ配信が日本の携帯ユーザーにとっては敷居が高いことも考慮して、携帯から直接ダウンロードできる「カスタムスクリーンライト」も用意する。「カスタムスクリーンの容量は700Kバイトから800Kバイトくらいの容量になるためPCを通じた配信になるが、ライトはPDCでダウンロード可能な256Kバイト内におさめたバージョン」。こちらはあらかじめ端末にプリセットされたJavaアプリ「カスタムスクリーンギャラリー」からダウンロードでき、価格も200円程度になる見込みだ。
「コンテンツをこんなふうに作るのだから、パネルもいろいろやりたい」と山本氏。キャラクター入りのパネルについてもキャラクターホルダーと交渉しながら検討を進めているという。
こうしたカスタマイズ策を「V501SHだけで終わらせない」と山本氏は意気込む。「シャープとして初めて版権ビジネスなども含めたカスタマイズのビジネスモデルを立ち上げているので、先のモデルについてももちろん検討している。PDCのパケット機では256Kバイトまでしかダウンロードできないが、3Gではメガクラスまで落とせる。このあたりも視野に入れながらビジネスを展開する」
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