KDDIが大阪でWiMAXの実験、「ウルトラ3Gとの接続にも成功」
KDDIは2月16日、大阪でモバイルWiMAXの実験を行った。モバイルWiMAXとEV-DOの切り替え、基地局間のハンドオーバーなどのデモを披露した。
KDDIは2月16日、IEEE 802.16eに準拠したモバイルWiMAXの実験システムを開発し、大阪で実証実験を行った。同社が構想するオールIPベースの「ウルトラ3G」ネットワークとの統合にも成功したという。
KDDIはモバイルWiMAXを“都市部で3G携帯システムを補完する無線方式”と位置づけている。今回の実験では、実効的な通信速度や基地局間の高速ハンドオーバーなどの性能を評価し、市街地環境で実用化が可能であることを確認した。今後は、複数のアンテナを用いて希望する方向に電波を向ける「アダプティブアレイアンテナ」などの高度化技術も検証する。
実験ではまた、モバイルWiMAXを「ウルトラ3G」のアクセスシステムの1つとして利用するシステム接続テストも行った。モバイルWiMAXとEV-DOのシームレスハンドオーバーに成功したほか、EV-DO網やIPv6ベースのコアネットワークを「MMD」(MultiMedia Domain)のアプリケーションサーバと接続したという。MMDとは3GPP2で標準化が進められている移動体向けのオールIPマルチメディアプラットフォームで、これを利用することでインターネットと携帯の統合が容易になるとされる。
「通信システム側は、モバイルWiMAXなどの移動体ネットワークと固定系ネットワークを横断してユーザに最適なアクセスを自動選択できる」(KDDI)。同社はこの統合ネットワークを利用して、映像や音声をやり取りするアプリケーションなど「ウルトラ3G」ならではのサービスを提供できるとうたっている。
市街をバスで走行しての基地局ハンドオーバー実演。3カ所の基地局をハンドオーバーしながらバスが走る。基地局のそばでは高い通信速度が得られるが(画面では青で表示)、基地局から離れるにつれ、通信速度が遅くなる(黄色、赤)ことを示すデモ
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複数の通信方式を統合するウルトラ3G構想の中で、IEEE802.11nと次世代CDMA2000の間を埋める「ワイヤレスブロードバンド」の役割を担うのがWiMAXだ。 「可能なら来月からでもWiMAXの実験をスタートしたい」──ドコモ
NTTドコモの中村社長は第3四半期決算発表の席上で、WiMAXの実証実験を積極的に行っていきたい意向を示した。
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