“音のQRコード”音響OFDM技術をデモ :ワイヤレスジャパン2006:
携帯に音を「聴かせる」と、URLを取得できる――NTTドコモが開発中の「音響OFDM」技術のデモを、ドコモブースで体験できる。
NTTドコモブースで、4月13日に開発発表があった「音響OFDM」技術のデモが行われている。スピーカーから流れる音声に乗ったテキストを、携帯で受信する様子を見ることができる。
音響OFDMは、音楽や音声などのオーディオ信号に乗せてテキストデータを送信し、携帯電話で受信できる技術だ(4月13日の記事参照)。音響OFDM技術を使ってテキストデータを乗せた音声に、携帯電話を近付けて音を「聴かせる」と、デコードしたデータが携帯に表示される。QRコードをカメラで読み取るように、マイクで音を録音してテキストデータを取得する、いわば「音のQRコード」ともいえる。送信スピードは約1kbpsで、約100文字のテキストを1~2秒で送信できる。
デモに利用されているのは、Windows Mobile端末の「hTc Z」(7月18日の記事参照)で、Windows Mobile用のアプリが動いている。会場のスピーカーから流れるコマーシャル風の音声をhTc Zで数秒受信すると、URLが表示される。
データを乗せている部分は可聴音域で、実際に聞いてみると、確かにやや高い音でチリチリチリという音が聞こえる。URLデータが乗っている部分は1秒程度の長さで、それを繰り返しているという。
hTc Zを使った理由は「マイク性能がよく、またPCMで圧縮せずに録音できるため。ドコモの現行モデルで音を録音すると、iモーションの音声形式と同じAMRコーデック(2002年3月11日の記事参照)で符号化することになってしまうので」(説明員)とのこと。普及している携帯電話で音響OFDMを利用できるようにするには、このあたりをどうクリアするかがポイントになりそうだ。
普通のスピーカーを使えるという特徴を生かし、テレビやラジオの放送や、商店街などのアナウンスなどにURLや短いテキストを乗せて送るといった利用方法を将来的には考えているという。実用化の時期は未定。
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