KDDI、auが好調で経常益39%増
KDDIの第1四半期はauがけん引して好調。ただ、通期業績はMNPが始まる第3四半期以降がカギになりそうだ。
KDDIが7月21日発表した2006年4~6月期(第1四半期)の連結決算は、経常利益が前年同期比39.1%増の1224億円となるなど、第1四半期としては過去最高の業績となった。携帯電話事業が解約率の低下などで好調だった(関連記事参照)。
売上高にあたる営業収益は7984億円(前年同期比11.8%増)、営業利益は1219億円(同38.8%増)、純利益は756億円(同43.8%増)。営業利益、経常利益は四半期としては初めて1000億円を超えた。
携帯電話事業のau(ツーカー含む)は営業収益が6398億円と同8.8%増だったのに対し、営業利益は同31.4%増の1297億円と大幅な増益に。拡販シーズンの3月に獲得した顧客の分が貢献してくるなど、「第1四半期は利益が出やすい」(小野寺正社長)のに加え、ARPUの高いWIN契約の拡大や解約率の低下なども貢献した。
au全体では純増シェア85.1%と高率でトップを維持、累計シェアは25.4%になった。WIN契約は同期末で946万。前年同期の432万から倍以上に拡大し、うちパケット定額率は80%に上っている。
解約率は1.04%となり、前年同期から0.22ポイント改善した。小野寺社長は「家族割」などの効果を上げたとみる一方で、「MNPが浸透してきており、MNPの実施を待っている人も多少はいるのでは」とした。通期平均の見通しは1.39%と、前期の1.20%から悪化するとの予想だ。
今後の見通しは、7~9月期(第2四半期)は「第1四半期とほぼ同じ傾向」だが、MNPが実施される10~12月期(第3四半期)以降が勝負。1台あたり3万7000円の販売コミッション平均単価を増額する予定はないが、「競争の状況次第ではどうなるかは分からない。通期の見通しは第3四半期次第だ」との認識だ。
- 携帯電話事業の2006年4~6月期データ
項目 | 実績 |
---|---|
営業収益 | 6398億円 |
営業利益 | 1297億円 |
契約数 | 2596万(うちWINは946万) |
販売台数 | 327万台 |
純増シェア | 85.1% |
累計シェア | 25.4% |
解約率 | 1.04% |
販売コミッション平均単価 | 3万8000円 |
ARPU(全体) | 6810円 |
ARPU(WIN) | 9070円 |
固定通信事業は、営業収益は同23.3%増の1788億円となり、営業赤字は前年同期の116億円から99億円に改善した。東京電力とのFTTH統合サービスを6月から「ひかりone」ブランドで開始したが、本格展開は下期以降を予定している。
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