クアッドコアCPUの実力は?――「ARROWS A 201F」でベンチマークテストを試す
この春に発売されるAndroid端末のなかでトップクラスの機能性を誇る「ARROWS A 201F」。“激速レスポンス”を実現したというクアッドコアCPUの実力とは――。定番ベンチマークアプリを使って検証してみた。
日々の暮らしに欠かせないツールとして、広く普及しているスマートフォン。市場の広がりとユーザーニーズの多角化により、最新モデルの大半が「これでもか!」というほど、多彩な機能を搭載するようになった。電話、メール、Web、カメラといった機能を、多くの人がほぼ毎日利用しているのではないだろうか。また、動画やゲーム、電子書籍などを楽しむための娯楽ツールとして活用している人も多いだろう。多彩な機能を備えるスマートフォンは、いまや現代人の生活に欠かせないデジタルツールになったといっても過言ではない。
こうしたスマートフォンの多機能化に伴って、重要視されるようになってきたのが「プロセッサーの性能」だ。スマートフォンに搭載されるプロセッサーは、端末の処理性能を左右する重要なもの。「快適に操作できるか?」「ストレスを感じずに操作できるか?」は、プロセッサーの処理能力によって変わってくるのだ。
「ARROWS A 201F」は、この春に発売されるAndroidスマホのなかでもトップクラスの機能性を備えたオールインワンモデルだ。ソフトバンクの高速通信サービス「SoftBank 4G」に対応するほか、4.7インチのHDディスプレイ、2420mAhの大容量バッテリーを備えるなど、あらゆるトレンド機能を備えている。今回特に注目したいのが“激速レスポンス”を実現した次世代クアッドコアCPUだ。201FはQualcomn製のクアッドコアCPUを備えるプロセッサー「APQ8064」を搭載する。今回はベンチマークアプリを用いて、このプロセッサーがどれほどの実力を備えているのか検証していこう。
まずは「APQ8064」の基本を確認
テストに移る前に、まずは「APQ8064」がどのようなプロセッサーなのかを確認しよう。APQ8064は、Qualcomnが提供するモバイル機器向けチップセット「Snapdragon」の第4世代シリーズ「Snapdragon S4」に属するアプリケーションプロセッサーだ。Snapdragon S4は性能によって、「Play」「Plus」「Pro」「Prime」という4つのカテゴリーに分類されるが、APQ8064は「Pro」に属する。
CPUは、1.5GHzのクアッドコア。CPUコアには「Krait」を採用し、従来よりもパフォーマンスが向上したほか、処理の負荷に応じて利用するコア数を減らすことによって、省電力性も高められた。この春に発売されるモデルでは今回紹介する201Fをはじめ、主要メーカーの注目モデルの多くが、このAPQ8064を搭載している。
同じクアッドコアでも特に優秀――「Quadrant Professional Edition」で計測
プロセッサーの性能を図る目安の1つとなる、ベンチマークテストを行えるアプリがGoogle Playに公開されている。201Fでもさっそく試してみた。
まずは、CPUやグラフィックの処理性能を測れる定番アプリ「Quadrant Professional Edition」を使ってテストを行った。5回テストしたところ、スコアは7914、8132、8050、7095、8094で、5回の平均は7857だった。比較モデルとして計測結果に表示される「HTC One X」(クアッドコアの「Tegra 3」を搭載)のスコア(4500~4800)と比べると、201Fのほうが圧倒的に高い結果になった。
CPUのスコアが高いのも目を引く。20246、21180、20849、20928、20800とコンスタントに2万台を記録しており、処理性能の高さがうかがえる。なお、参考まで書き添えておくと、APQ8064を搭載するほかの春モデルのCPUのスコアは、1万後半から2万程度が多い。操作感に大きな違いはないだろうが、数値上は201Fのほうが、わずかに高スコアを記録している。
項目 | 1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 平均 |
---|---|---|---|---|---|---|
総合 | 7914 | 8132 | 8050 | 7095 | 8094 | 7857 |
CPU | 20246 | 21180 | 20849 | 20928 | 20800 | 20800.6 |
メモリ | 9851 | 9934 | 9934 | 9906 | 9769 | 9878.8 |
データの読み書き | 6284 | 6376 | 6419 | 6100 | 6711 | 6378 |
2D | 1000 | 990 | 862 | 862 | 990 | 940.8 |
3D | 2189 | 2178 | 2186 | 2178 | 2198 | 2185.8 |
世界の強豪とも渡り合える実力を発揮――「AnTuTu 安兎兎ベンチマーク」で計測
次に、「AnTuTu 安兎兎ベンチマーク」アプリでテストした。こちらも5回計測し、平均スコアを算出した。5回の総合得点は20319、20519、20441、20493、20375で、平均は20429.4という結果になった。「AnTuTu」では、“人気モデル”とスコアを比較することができるが、201Fは世界の強豪をおさえて堂々の2位を獲得。トップクラスの実力を示した。
“水平ランキング”でほかの人気モデルのスコアと比較してみても、201Fの処理性能の高さがうかがえる。クアッドコアCPUを搭載する多くのモデルが2万台のスコアを記録しているが、コンスタントに2万以上を記録している201Fは、それらと同等かそれ以上の性能を備えているといえるだろう。
CPUのスコアは常に8000台を記録し、5回の平均は8426.4。ほかのクアッドコアCPU搭載モデルは、7000後半~8000台といったところなので、201Fのほうが数値上はわずかに優位な結果となった。
項目 | 1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 平均 |
---|---|---|---|---|---|---|
総合得点 | 20319 | 20519 | 20441 | 20493 | 20375 | 20429.4 |
CPU | 8454 | 8428 | 8403 | 8468 | 8379 | 8426.4 |
RAM | 3420 | 3444 | 3414 | 3426 | 3403 | 3421.4 |
GPU | 7540 | 7743 | 7721 | 7696 | 7700 | 7680 |
データの読み書き | 905 | 904 | 903 | 903 | 893 | 901.6 |
今回は2つのベンチマークアプリを使って201Fのプロセッサーの処理性能を検証したが、どちらとも好成績を残した。あくまでもベンチマークアプリの結果比較ではあるが、ほかのクアッドコアCPU搭載モデルと同等か、それ以上の性能を備えていることがうかがえる。実使用においては、動作不良によるストレスを感じることはほとんどなさそうだ。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia Mobile 編集部/掲載内容有効期限:2013年3月31日
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